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人にはなかなか聞けない。見張りいぼといぼ痔の違い

更新日:2016.12.09
公開日:2015.07.31
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この記事の監修者
医療法人浩聖会 セイコメディカルビューティクリニック 理事長 曽山聖子

いぼができる痔といえば、「いぼ痔」がありますが、それとは別に、「見張りいぼ」といういぼもあります。そこで今回は、いぼ痔と見張りいぼがどう違うのかをご紹介していきます。

医者

いぼ痔とは

「痔」は、肛門周辺の病気の総称なので、さまざまな種類のものがありますが、男女ともに、もっとも多いのが「いぼ痔(痔核)」です。

私たちは、ふだん意識をしていなくても、肛門から便が漏れ出たりすることはありません。これは、肛門の周囲を筋肉が取り囲んでおり、排便をするとき以外は、肛門を閉じているからです。しかし筋肉だけでは、肛門をぴったりと閉じることができないので、肛門とその奥にある直腸のつなぎ目周辺には、毛細血管が網目状に集まった「静脈叢(じょうみゃくそう)」という組織があり、隙間を埋めるクッションの役割をしています。いぼ痔とは、排便時のいきみなどによって、この静脈叢がうっ血し、腫れ上がった状態のことです。

いぼ痔の種類

肛門と直腸のつなぎ目は、ギザギザした歯のような形をしていることから「歯状線」と呼ばれています。いぼ痔の「いぼ」ができる場所が、この歯状線よりも直腸側のものを「内痔核」、歯状線よりも肛門側のものを「外痔核」といいます。

内痔核

内痔核は、自律神経に支配されていて、知覚神経がない直腸粘膜が膨らんでできるので、痛みはありません。しかし、直腸粘膜はやわらかいので、排便のときに、便にこすられて傷つき、出血しやすいという特徴があります。また、いぼが大きくなってくると、いきんだときに、肛門から飛び出すようになるのも厄介です。飛び出したいぼは、排便が終われば自然と中に引っ込みますが、症状が進むに連れて、指で押し込まないと戻らなくなり、最終的には、常に飛び出した状態になってしまいます。

外痔核

外痔核は、知覚神経が通っている肛門側の皮膚にできるので、ほとんどの場合、痛みをともないます。特に肛門周辺に、豆粒大の大きさの血栓ができる「血栓性外痔核」になると、排便時やスポーツなどでいきんだときに、激しい痛みを感じます。

見張りいぼとは

痔に関連するいぼには、もう1つ「見張りいぼ」というものもあります。痔によってできるいぼなので、いぼ痔が原因だと思うかもしれませんが、見張りいぼは、「切れ痔(裂肛)」によってできるいぼです。

切れ痔は、便秘などでかたくなった便を無理にいきんで出したときに、歯状線の外側にある肛門の皮膚が切れたり、裂けたりすることで起こります。切れ痔になっても、出血はそれほど多くはありませんが、排便で便が傷口を通るたびに、激しい痛みを感じます。このため、排便を我慢してしまい、余計に便秘になって、便が硬くなるという悪循環に陥ることがあるのです。

すると、排便のたびに、傷口が深く、大きくえぐれていくので、そこに便が溜まりやすくなり、細菌感染や炎症を起こしてできるのが「見張りいぼ」という突起です。

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