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気になる手の乾燥の予防と対策

更新日:2016.12.09
公開日:2015.11.30
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この記事の監修者
大井町皮フ科形成外科 院長 千代倉友博

空気が乾燥する時期になると、カサつきや荒れ、ひび割れなどが目立ちやすくなる部位のひとつに「手」があります。そこで今回は、そんな手の乾燥予防と対策についてご紹介していきます。

冬場になると、手が荒れてカサカサになったり、ひび割れたりすることがあります。今回は、そんな手の乾燥の予防と対策についてお話していきます。

寒くなると起こりやすい手の乾燥

冬になると、手が荒れやすくなるのは、気温が下がって空気が乾燥することで、手の水分が蒸発しやすくなることが原因です。また、手指が冷えて血行が悪くなると、肌の新陳代謝が衰え、肌表面にある「角質層」が硬くなってしまうことも関係しています。

本来、肌の表面には、皮脂と汗が混じり合ってできた「皮脂膜」があり、この皮脂膜がうるおいのベールをつくることで、水分の蒸発や外部の刺激から肌を守っています。しかし、皮脂膜は、手を洗っただけで簡単に落ちてしまうものです。とくに冬は、温かいお湯で手を洗うことが多く、皮脂膜がいつもより落ちやすい傾向にあります。また、冬場は夏に比べて、風邪予防などのために、手指を消毒する頻度も増えるため、余計に手荒れのリスクが高くなるのです。

皮脂膜は、天然のクリームのように、皮膚にうるおいとなめらかさを与えているので、それが落ちてしまうと、角質層の水分が蒸発しやすくなって乾燥したり、角質層が硬くなったりして、ひび割れが起きることもあります。また、角質層に刺激がダイレクトに伝わるようになるため、傷ついた角質層から刺激物が侵入し、炎症を起こしたり、湿疹ができたりすることもあるのです。

手荒れが進行すると、「進行性指掌角皮症(ししょうかくひしょう)」になることもあります。進行性指掌角皮症とは、皮膚が乾燥してはがれ落ちたり、硬くなってひび割れたり、指紋がなくなったりする皮膚疾患のことです。はじめのうちは、利き手の指先だけに現れますが、ひどくなると両手のひらにまで症状が広がることがあります。

手の乾燥の予防と対策

手の乾燥を防ぐためには、皮脂膜によるうるおいのベールを維持することが重要ですが、だからといって、手を洗わないわけにはいきません。ですから、手洗いや水仕事の際は、次のことを心がけましょう。

・手洗いや水仕事のあとは、ハンドクリームで油分を補う。

・お湯を使うときは水もしくはぬるま湯にし、熱いお湯は使わない。

・薬用石鹸、消毒液など、手の水分・油分を奪うものの使用に気をつける。

・手を洗う回数に気をつける。

また、空気が乾燥すると、皮膚の水分が蒸発しやすくなるので、暖房を入れたら加湿も行いましょう。さらに、血行不良による新陳代謝の衰えを防ぐためには、外出時に手袋をはめるなど、手指を冷やさないことも大切です。

間違った手洗いが乾燥を加速させる

間違った手洗い方法は、手荒れを加速させる大きな要因になります。手荒れを防ぐために、正しい手洗い方法を身につけましょう。

・水もしくはぬるま湯を使い、必要以上に手をこすりすぎない。

・手を乾燥させすぎる可能性があるので、ハンドドライヤーを使わない。

・手を洗ったあとは、服で手を拭いたりせず、清潔なハンカチなどできちんと手を拭く。

・できればハンカチ以外にも、吸水性の高いハンドタオルを携帯する。

症状に合わせてハンドクリームを使い分け

手の乾燥度合いは、人によって違うものです。手あれを早めに解決するためには、自分の症状に合ったハンドクリームを使いましょう。

ひび・あかぎれには…保湿に加えて血行を良くしてくれるビタミンEを配合した「ビタミン系」

皮膚の表面が硬くガチガチ(角化)したところには…角質をやわらかくしている尿素を配合した「尿素系」

かゆみをともなうカサつき、炎症には…医薬品のハンドクリーム

ハンドクリームの効果を高めるためには、最初の3日間は、とくにたっぷり塗ることが大切です。「たっぷり」の目安は約2gで、だいたい指先から人差し指の第1関節くらいまでの量になります。この量のハンドクリームを両手にしっかり塗りこみましょう。

入浴後にハンドクリームを塗り手袋をはめて就寝することをおすすめします。入浴後であれば手が清潔な上に角質が柔らかくなっており、よく浸透します。手袋をはめる事で、さらに浸透力をアップするだけではなく、ベタつきも気になりません。

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