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体臭が原因で考えられる病気(2)多汗症

更新日:2016.12.09
公開日:2014.05.30
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この記事の監修者
松下皮フ形成外科 院長 松下博明

日常生活に支障をきたすほど、汗の量が多くなってしまう「多汗症」は、体臭の原因にもなる病気です。そこで今回は、多汗症にはどんな種類のものがあるのかや、多汗症の治療法などについてご紹介していきます。

多汗症とは?

体臭の原因になる病気の1つに「多汗症」があります。これは、その名の通り、必要以上に汗の量が多くなってしまう病気のこと。ただの「汗っかき」とは違い、日常生活に支障をきたすほどの状態になる場合に病気と判断されます。

局所性多汗症と全身性多汗症

多汗症は大きく分けると、「局所性多汗症」と「全身性多汗症」に分けることができます。

局所性多汗症…手のひらや足の裏、わきの下、頭、顔面など、特定の部分だけに汗の量が増加する多汗症です。ストレスや緊張、不安など、精神的な問題によって、自律神経のバランスが崩れることが、大きな原因だと考えられています。

全身性多汗症…全身から汗が出て、お腹や胸、背中、お尻など、通常ならあまり発汗しないようなところにまで汗をかくという多汗症です。大抵の場合、別の病気の影響が考えられますが、まだ原因がきちんと解明されていない部分もあります。

続発性多汗症と原発性多汗症

多汗症は、後天性のものか、先天性のものかによっても分類されます。

続発性多汗症…別の病気が原因となり、後天的に発症している多汗症です。続発性多汗症を引き起こす病気には、パーキンソン病、甲状腺機能亢進症、耳下腺切除手術後の後遺症、先端肥大症、褐色細胞腫、脳梗塞、末梢神経障害などがあります。

原発性多汗症…原因不明の多汗症は、遺伝によるものだと考えられています。いろいろな検査を行っても、多汗症を引き起こしている別の病気が見つかられなければ、原発多汗症と診断されます。

多汗症の治療

何らかの病気の影響で多汗症を引き起こしている場合は、まずはそちらの病気を治療することが先決になります。

またストレスや緊張、不安など、精神的な問題が原因の場合は、カウンセリングなどの心理的療法を受けるのが良いでしょう。心理的療法を行っても効果がない場合や、原発性多汗症には、現在以下のような治療が試みられています。

塩化アルミニウム療法…汗を抑える作用がある塩化アルミニウム水溶液を、患部に毎日塗布し続ける方法です。

イオントフォレーシス…特殊な装置で患部に微弱な電流を流し、発汗を抑える方法です。

ボツリヌス菌注射…発汗を促す神経をブロックするボツリヌス菌を、汗をかきやすい部分に注射することで、汗腺機能を麻痺させるというものです。

交感神経遮断術…発汗を起こすのは交感神経の作用なので、この神経を外科手術で切断するという方法です。ただし副作用で、他の部分の発汗が増加することがあります。

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