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不眠症とは

更新日:2017.04.19
公開日:2017.04.16
ドクター画像
この記事の監修者
ベスリクリニック 院長 田中伸明

いまや成人のおよそ1割が不眠症にかかっているといわれています。不眠症とはどのような病気なのか、予防するにはどのようなことに気をつければよいか、不眠症についてドクター監修の記事で解説します。

近年、日本人の5人に1人になんらかの不眠の症状がみられ、およそ1割が不眠症に罹患しているといわれています。いまや「国民病」ともいわれる不眠症について、その主な症状や原因、治療や予防の方法を解説します。

不眠症とは

不眠症は、長期にわたって眠れないことが続くために、日中の生活に支障をきたすようなさまざまな不調が生じる病気です。単に「眠れない」というだけでなく、その状態が長く続くこと、それによって日常生活に支障が出ていること、が不眠症と判断される要素となります。

私たちの多くは、おそらく何度か「眠れない」経験をしたことがあるものと推察されます。これまでに、その日の体調によって、寝つきが悪い、夜中や早朝に目が覚める、眠りが浅く何度も目が覚めてしまう、など「眠れない」ことがあったかもしれません。しかし、通常は数日〜数週間のうちに改善され、また「眠れる」ようになります。

不眠症は、その「眠れない」状態が改善されずに1か月以上にわたって続くことをいいます。不眠が続くために、日中の生活にも大きな影響がおよびます。日中に眠気や疲れを感じたり、倦怠感や集中力の低下が現れたりするなど、さまざまな不調が生じます。1か月以上の長期にわたって不眠がつづき、日中にさまざまな不調が現れて生活に支障をきたしているとき、不眠症であるとされます。

不眠症の種類と症状

不眠症は、「眠れない」症状によって4つのタイプに分けられています。

入眠障害

布団に入ってから寝つくまでに長い時間を要する場合をいいます。不眠症としてもっとも多くみられるのが、この入眠障害のタイプです。

中途覚醒

睡眠中、夜中に何度も目が覚めてしまう場合をいいます。

早朝覚醒

通常起床する時間よりもかなり朝早い時間に目が覚めてしまう場合をいいます。

熟睡障害

睡眠時間は十分確保できているのに、眠りが浅いためにぐっすりと眠れた感覚が得られない場合をいいます。

不眠症の原因

不眠症の原因は、通常、ひとつではありません。「眠れない」症状は、次のようなさまざまな原因によって起こるといわれています。

生活習慣

不規則な生活は、生体リズムに変調をきたしやすく、睡眠の状態にも大きな影響をおよぼします。夜間や夕方にカフェインの入った飲料を何杯も飲んだり、寝る直前まで強い照明の下ですごしたりするなど、睡眠のためには望ましくないような生活習慣があると、不眠を生じさせやすくなるといわれています。

なんらかの病気

病気によって不眠の症状が現れる場合もあります。特に、泌尿器系の病気では、夜間頻尿が原因となって中途覚醒が生じる場合があります。また、うつ病の徴候として早朝覚醒がみられる場合があります。そのほか、不眠の原因となる可能性が指摘されているものには、呼吸器系の病気や糖尿病、アレルギー、高血圧、心臓病などがあります。

ストレス

ストレスや過度の緊張状態は、自律神経のバランスを乱しやすくします。交感神経の興奮がつづいて副交感神経の働きが抑えられるため、寝つきにくさや眠りの浅さにつながりやすいことが知られています。

睡眠の環境

睡眠時の環境もまた、不眠の大きな要素になります。室温や湿度、明るさ、周囲の騒音をはじめ、枕の高さやマットレスの硬さなどが身体に合っていない場合にも、熟睡を妨げ不眠につながる可能性があります。

薬物による治療

不眠症の状態によっては、睡眠導入剤などの薬物が治療に用いられる場合があります。現在、医療機関で主に

用いられている睡眠薬には、

  • ベンゾジアゼピン系
  • 非ベンゾジアゼピン系
  • メラトニン受容体作動系
  • オレキシン受容体拮抗薬

があります。薬の効果が持続する時間が薬剤ごとに異なり、それぞれの不眠のタイプに適するものが用いられます。

加齢

加齢にともなって中途覚醒や早朝覚醒などの不眠が増えるといわれています。夜間に睡眠が浅くなるとともに日中にうとうととすることが多くなり、また朝早くに目が覚めてしまうということも起こりやすくなります。

不眠症の治療

不眠症の治療は、その原因によって方法は変わるものの、主に日常生活の改善と薬物による治療とが行われます。

生活習慣の改善による治療

不眠症に対して生活習慣の改善を行なう場合、次のようなことが行われます。

  • 睡眠環境の見直し

普段睡眠をとる部屋や寝具など、睡眠の環境を見直し必要な改善を行います。一般的に、睡眠に適した室温は20度前後、湿度は40〜70%程度だといわれています。

  • 入眠、熟睡を促す生活習慣づくり

生活のリズムを整え、睡眠しやすいよう改善をはかります。音楽を聞いたり読書をしたりするなど、リラックスができる時間をもつようにするとともに、就寝予定時間の4時間前には食事を済ませ、1〜2時間前には入浴をする、など入眠を促すような生活習慣づくりを行います。

  • 朝日を浴びる

朝に目覚めて朝日を浴びることで、眠気を生じさせる作用のあるメラトニンの生成を促すとともに、体内時計を調整する効果があることが知られています。

薬物による治療

不眠症の状態によっては、睡眠導入剤などの薬物が治療に用いられる場合があります。現在、医療機関で主に用いられている睡眠薬には、

  • ベンゾジアゼピン系
  • 非ベンゾジアゼピン系
  • メラトニン受容体作動系

があります。薬の効果が持続する時間が薬剤ごとに異なり、それぞれの不眠のタイプに適するものが用いられます。

原因となる病気の治療

なんらかの病気が原因で不眠症が生じている場合には、その病気の治療を行い、症状の改善をはかることで不眠の解消をもはかります。原因となっている病気の治療を行うなかで、痛みやかゆみなどの症状によって不眠がつづく場合には、主治医と相談のうえで睡眠薬の服用を行う場合があります。

不眠症の予防

不眠症を予防するには、不眠の原因となり得ることを避け、安眠のための習慣を身につけることが大切です。

規則正しい生活を送る

不規則な生活を送ると、睡眠や覚醒をコントロールしている体内時計を狂わせてしまいやすくなります。日によって寝る時間や起きる時間がまちまちにならないよう、就寝や起床の時間を一定にするように心がけましょう。

適度に運動をする

適度に身体を動かすことは、自律神経を整え、ほどよい疲労となって眠りやすくなるといわれています。無理のない強度の有酸素運動を長い時間つづけて行なうことは、不眠対策にも効果的だとされています。

ストレスを解消しリラックスする

不眠の原因となりやすいストレスは早めに解消するようにしましょう。日常のなかに、趣味に没頭する時間をつくったり、リラックスるする時間をつくったりするのもおすすめです。特に就寝前にリラックスする時間を設けると、副交感神経が活発になり睡眠の質の向上に役立つといわれています。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かったり、好きな音楽をきいたりして、リラックスをはかるようにしましょう。

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