抜け毛や薄毛に効果があるとされる対処法には、シャンプーやマッサージ、育毛剤などと言ったさまざまな種類があります。すでにいろいろ試された方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが、中でも近年その効果に注目が集まっているものに抗酸化作用があります。
この記事では、この抗酸化作用とはどのようなものか、薄毛にどれほどの効果があるのかを見ながら、さまざまな薄毛への対処方法を解説していきます。
薄毛の原因
はじめに、薄毛になってしまう原因について確認してみましょう。
正常な抜け毛のサイクル
抜け毛自体は毎日起きているごく普通の現象です。毛根から生えだした毛は2年ないしは6年くらいかけて成長するのですが、その後は成長が緩やかになる期間が2週間ほどあり、最後は成長を終えておよそ3か月後に抜け落ちます。これを「ヘアサイクル」と呼び、成長中の髪の毛は全体の85~90%を占めていて一番多いのですが、抜けるのを待っている最終段階の髪も15%近くあり、1日に50から100本は自然と抜けています。ただ、この量が増えてしまうと薄毛になってしまいます。
薄毛の外的要因
続いて具体的な薄毛になる要因を見ていきます。まず外的な要因として、頭皮への刺激があげられます。紫外線は髪によくないということを聞いたことがあるかもしれませんが、紫外線が直接毛髪にダメージを与えているわけではなく、頭皮を刺激して傷ついた状態にしていることが原因です。
また、シャンプーやトリートメントなどのヘアケア剤にも注意する必要があります。自分にあっているかそうでないかをしっかりと確認しましょう。他にも、髪型も影響します。髪を引っ張るポニーテールなどは負担が大きく、牽引性脱毛症といった薄毛を引き起こす原因になります。
薄毛の内的要因
薄毛の内的要因としては、ホルモンの分泌があげられます。ホルモンの分泌が減ってしまうとそのことにともなって髪の毛の量も少なくなるという症状が見られます。ホルモン分泌が減少する原因としては加齢がありますが、生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れることがあるので注意が必要です。
他にもストレスがたまっていると抜け毛の原因になりますし、過度なダイエットもおすすめできません。髪はタンパク質からできていますので、ダイエットによって肉類や卵などの重要なタンパク源を摂らなくなると、薄毛につながる可能性もあります。
抗酸化作用とは
薄毛の原因を踏まえたうえで、抗酸化作用について解説します。
活性酸素と抗酸化作用について
酸素は私たちの生命を維持するうえで不可欠なものですが、この酸素の中でも、不安定な状態にあるために他の物質と結合しようとする性質を持ったものを活性酸素と呼びます。活性酸素が体内に取り込まれて細胞と結びつくことを細胞の酸化と言いますが、細胞が酸化すると栄養の吸収や新陳代謝の機能が低下し、老化を招きます。
抗酸化作用のある成分
活性酸素と細胞が結びつく酸化を防ぐ働きを抗酸化作用と呼びます。まず水溶性抗酸化物質については、体内に保持しておくことができないため定期的に摂取する必要があります。代表的なものはビタミンCで、柑橘系の果物に多く含まれることが知られています。他にはホルモンバランスを整えてくれるビタミンB群、髪と同じ成分であるアミノ酸の化合物であるペプチドなどが有名です。
また、脂溶性抗酸化物質は、細胞を脂質でもって活性酸素から守る働きをします。ビタミンEやトマト・スイカなどに含まれるリコピンなどがこれに当たります。さらに水溶性と脂溶性の中間に当たる抗酸化成分であるポリフェノールは大豆イソフラボンやアサイーに多く含まれています。
抗酸化作用は薄毛に影響する?
抗酸化作用は薄毛への対処法を考えるうえで非常に大切です。活性酸素は細胞の老化につながるため、人間の身体にはこの活性酸素を取り除く働きが備わっていますが、そのためにはアミノ酸が大量に必要となります。アミノ酸は頭髪の成長にも使われるのですが、それが活性酸素への対応に回されてしまうと、当然髪の毛が減り、薄毛の状態になってしまいます。
薄毛の対処方法
最後に、薄毛への対処法において、抗酸化成分の摂取以外に気をつけるべきことを見ていきます。
食生活の改善
薄毛の対処法でもっとも重要なのは食生活の改善です。抗酸化成分を含んだ食材に加え、髪を構成している成分であるタンパク質を十分に摂ることが大切です。大豆製品・鳥肉などに多く含まれていますので、積極的に摂りましょう。
適度な睡眠
睡眠には、日中にダメージを受けた体内の細胞を元通りに修復する役割があります。この睡眠を疎かにしていると、頭髪や頭皮などが傷ついた状態のままになってしまい、抜け毛がより進行してしまいます。毎日しっかりと睡眠をとってください。
ストレス解消
過度なストレスを感じると体内のホルモンバランスや自律神経の働きが乱れてしまい、脱毛が起こりやすくなってしまいます。ストレスの元を完全に断つことは難しいとしても、適度にストレスを発散して溜め込まないようにすることが大切です。
髪や頭皮への刺激を抑える
カラーリングやパーマの薬剤は髪や頭皮に大きな負担を与えてしまいますのでできるだけ避けましょう。また、シャンプーの際に強くこすりすぎないといったことにも注意してください。