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抜け毛が始まったらAGA(男性型脱毛症)を疑おう
日本でもっとも多い男性の抜け毛・薄毛の症状は、AGA(男性型脱毛症)といわれています。最近は、テレビや雑誌でも取り上げられることが多くなりましたが、詳しい症状やメカニズムについてはよくわからないという方も少なくないはずです。ドクター監修のもと、AGAの特徴と原因、効果的な対策について解説します。
AGAとは?
AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で、これを直訳すると「男性ホルモンによる脱毛症」となります。日本では「男性型脱毛症」とも呼ばれ、成人男性(20~69歳)の3人に1人が悩む薄毛症状といわれています。主に20代後半から30代にかけて兆候が現れることが多いですが、まれに10代から発症する人もいます。
AGAは進行性の脱毛症で、一度発症したら自然に治ることはありません。そのため、放っておくと薄毛はどんどん進行します。症状は、額や頭頂部から現れるのが特徴です。どちらか一方が薄くなる場合もあれば、両方が同時に進行する場合もあります。後頭部や側頭部の髪は影響を受けません。
AGAのメカニズム
髪の毛の生え変わりには、「ヘアサイクル」と呼ばれる一定の周期があります。「成長期→退行期→休止期」というセクションに分かれるのですが、通常、成長期は2~6年あり、この間に髪は太く長く成長します。しかし、AGAを発症すると成長期が短くなり、髪がまだ成長しきらないうちに退行期・休止期に移行してしまいます。その結果、毛包がミニチュア化し、細く短い髪が増えることで髪のボリュームが減少したり、抜け毛が増えます。
では、髪はなぜ成長を止めてしまうのでしょうか?これには、男性ホルモンであるテストステロンと、毛根周辺で分泌される還元酵素の5αリダクターゼが結びつくことで生成される「ジヒドロテストステロン(DHT)」という活性型男性ホルモンが関わっています。前頭部や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包においては、ジヒドロテストステロン(DHT)とアンドロゲン受容体が結合すると、 TGF-β などを誘導して毛母細胞の増殖が抑制され、成長期が短縮することが報告されています。
ただし、ジヒドロテストステロン(DHT)の影響は原因のひとつでしかありません。発症には、他のさまざまな要因も複合的にからみあっています。はっきりしたことは未だにわかっておりませんが、一般的に推測されているその他の原因としては、乱れた食生活やストレス、質の悪い睡眠などによる栄養欠損や血行不良、頭皮環境の悪化が考えられています。
AGA対策のポイント
AGAの治療には、5αリダクターゼを阻害する効果がある「プロペシア」の内服薬と、血管拡張作用のある「ミノキシジル」の外用薬を使用することが推奨されています。これらは、日本皮膚科学会のガイドラインでも「行うよう強く勧められる」とされるA評価を受けています。
治療と同時に、育毛剤を使って頭皮マッサージをするなど、毎日のセルフケアで頭皮環境と血流をよくすることも大切です。また、髪に必要な栄養素が十分に行きわたるよう、食生活や生活習慣を整えることも忘れないようにしましょう。
※髪のために気をつけたい生活のポイントについては『明日からできる育毛促進と抜け毛予防の方法』をご覧ください。
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