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歯の黄ばみの原因とは

更新日:2017.05.01
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
もろとみ歯科 院長 諸冨彰彦

歯の黄ばみや変色がコンプレックスになる人も多いようです。どのような原因で黄ばみや変色が起こってしまうのか、原因によって適切な治療法はあるのか、どのように予防すると良いのかドクター監修の記事で解説します。

歯はさまざまな要因で変色することがあります。口腔内の病変の可能性ももちろんありますが、外から目に見えてしまうことから笑うことも躊躇してしまうなど精神的な悩みとなってしまうケースもあります。歯が黄ばみ変色してしまう原因と改善の方法を解説します。

歯の黄ばみとは

歯の構造は三層に分かれており、表面から順にエナメル層、象牙質、歯髄神経と呼ばれます。見た目の色が変化するということで表面のエナメル層が染まってしまうと考えられがちですが、エナメル質は半透明であるため象牙質の変色が透けて表面の色としてあらわれる場合もあります。

黄色人種の場合は先天的に象牙質の色が黄色みを帯びている傾向があり、エナメル質の薄さもあり黄色みがあらわれやすい特徴を持っているともされています。

歯の黄ばみ汚れの原因

このように、白色人種と比較して黄色人種は歯に黄色みがあらわれやすいといえますが、元の色と比較して黄ばみ変色してしまう場合はなんらかの外的要因、内的要因が影響していると考えられます。

外的な要因により歯が着色されるケース

歯の表面が着色されてしまう外的な要因としては、以下のような理由があげられます。

・歯垢や歯石の付着

歯磨きが行き届いていない場合に付着する歯垢は白色から黄色を帯びています。また、歯石が発生する場合は褐色の色合いをしていることが多いですが、こちらも着色や色素が沈着する原因となるとされています。

・飲食物や嗜好物によるエナメル質への着色

褐色の飲食物はエナメル質への着色がされやすく、コーヒー、紅茶、緑茶をはじめとする茶飲料や、コーラ、カレー、ワインなども着色がされやすい飲食物であるとされています。また、食品に食用色素が多く使われている着色効果が高いといえるでしょう。嗜好品としては喫煙も着色の要因として考えられます。

・虫歯による着色

虫歯による着色に関しては、症状の進行度による色の違いがみられます。エナメル質は半透明の色合いですが、虫歯の初期症状の段階では透明でない白色となる場合があります。虫歯の症状が象牙質へ進行すると色合いが黄色がかってくることが多く、慢性化すると褐色を帯びてきます。症状が歯髄神経に達した場合は黒っぽくなる場合も多くなります。

・詰め物などの修復物による着色

過去に虫歯の治療などで使われた詰め物、かぶせ物などの修復物が劣化した場合や、修復物と残った歯の間に虫歯が発生した場合など、修復物からイオンが溶け出して象牙質に流れ込み着色を起こすケースもあります。

内的な要因で歯自体が変色するケース

歯そのものの色が変化してしまうケースは内的な要因があると考えられます。

・加齢による変色

白の色合いが強い乳歯と比較して、永久歯は加齢とともに黄色~褐色を帯びるようになります。経年によるエナメル質の摩耗と象牙質の変色が合わさったもので、このケースは生理的な器質変化といっても差し支えないでしょう。

・歯髄神経の病変による変色

歯に打撲、外傷があった場合や虫歯の治療のために歯髄神経を取り除いた場合、血管からの出血によって象牙質が変色してしまうことがあります。

・テトラサイクリン系抗生物質による変色

テトラサイクリン系の抗生物質を本人が長期間服用した場合、また、胎児期や授乳期に母親が服用していた場合変色がみられることがあります。紫外線へ反応するため、前歯の変色が特に顕著とされています。

・エナメル質形成不全による変色

なんらかの全身的な疾患や遺伝性の先天的疾患により、エナメル質の形成ができないと歯に黄色い部分が発生する場合があります。また、歯冠が形成される幼児期にフッ素を多量に含む飲料水を飲んでいる場合にも、エナメル質の形成ができず着色してしまう場合があります。

義歯の場合は細菌にも注意

入れ歯などの義歯の場合は虫歯になりませんし内的な要因での着色もありませんので、飲食物や嗜好品による着色が原因としてあげられます。また、ケアを怠ることで細菌が繁殖し黒ずみ、黄ばみ、変色の原因となることもあります。

歯の黄ばみ汚れを改善する方法

黄ばみや変色してしまった歯に対してはどのような治療が可能なのかみていきましょう。

表面の着色を取り除くクリーニング

医療機関で器具を用いて歯の表面を洗浄します。小型のブラシと研磨剤で歯を磨いたり、歯の表面に付着した粒子を空気で吹き飛ばしたりといった方法で表面の着色を解消する方法です。

歯を漂白するホワイトニング

・オフィスホワイトニング

医療機関で行う歯の漂白です。専用の漂白剤を歯に塗布し、光を照射して漂白剤を浸透させていきます。

・ホームホワイトニング

歯型から専用のトレーを作成し、漂白剤を注入して1日2時間程度装着する医療機関外でのホワイトニング処置です。

・ウォーキングブリーチ法

歯髄神経の病変が原因による変色に対して専用の漂白剤を使い、神経の入っていた空洞を利用して行う処置です。

症状や原因によって複数を組み合わせる場合もあり、実施期間にも差がありますが、クリーニングと異なり内的要因による歯自体の変色も解消できる可能性のある治療法となります。

セラミックで覆う方法も

金属色でない、自然な白い歯の色をした詰め物、冠をかぶせる治療法はオールセラミックと呼ばれます。また、前歯などかぶせが困難な部位においては、歯を薄く削って表面にセラミックなどを貼り付けるラミネートベニアと呼ばれる治療法も用いられます。比較的重症でありホワイトニングの効果が現れない場合などに選択されます。

歯の黄ばみ汚れをつけないための予防方法

黄ばみや変色を予防するための対策について解説します。

外的な着色は適切な歯磨きで予防する

飲食物や嗜好品での着色は、そういったものを控えることも有効ですが歯磨きをはじめとしたケアを適切に行うことが重要です。虫歯が原因となることもありますので、定期的に歯科検診、クリーニングを受けることも治療、予防の両面で大変有効です。

かぶせ物などの修復剤を非金属製に

修復剤による着色も原因としてありますので、着色を防ぎたい場合は金属を含まない修復剤を選択することも予防方法となります。

入れ歯の場合は手入れを適切に

入れ歯の場合も通常の歯と同様に、適切なケアが必要です。できれば毎食後、少なくとも寝る前には丁寧な洗浄を心がけましょう。洗浄剤を使用し、汚れを浮かしてブラシで擦り、よく洗い流して新しい水で保管することが細菌の付着や変色の予防に効果的です。

後天的な原因となりやすい着色の予防に関しては、やはり普段のケアが重要といえます。虫歯は早めに治療し口腔内を健康に保って黄ばみや変色を予防しましょう。

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