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夏に注意するべき虫刺され〜ブヨ〜

更新日:2017.06.07
公開日:2014.08.13
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この記事の監修者
大井町皮フ科形成外科 院長 千代倉友博

ブヨに刺されると、体質にもよりますが、刺されてすぐには痒みなどもなく、半日〜1日くらい経ってから痒みや腫れが出ることが多いです。痒みと腫れは何もしなければ1〜2週間ほど続き、体質によっては1ヶ月以上腫れが引かないこともあります。

ブヨってどんな虫?

ブヨは、地域によって様々な呼び方があり、「ブヨ」というのは関東での呼び方です。関西では「ブト」とも呼ばれ、正式には「ブユ」という名前の虫です。珍しいところでは、「ヤムラ虫」などと呼ぶ地域もあるそうです。

ブヨの成虫はイエバエの4分の1ほどの大きさで、蚊に似ていますが体は黒っぽく、丸い形状をしています。日本で最もよく見られるアシマダラブユは、全国各地に生息していますが、幼虫は渓流で生活しているため、きれいな川が近くにある山やキャンプ場でよく発生し、逆に住宅街などではあまり見られません。

活動時期は基本的に1年中ですが、最も活発に活動するのは春から夏にかけての暖かい季節です。夏は、気温の高い昼間はあまり活動せず、涼しい朝や夕方に多く発生します。

ブヨはどうやって人を刺すの?

ブヨも、蚊やアブと同じく、メスだけが産卵のために吸血します。蚊やアブと違うのは、ブヨの口には吸血用の針はついておらず、皮膚を噛み切って血を吸うことです。そのため、刺された時にはチクッとした痛みを伴うことが多いです。

ブヨに刺された患部は、皮膚を噛み切られた跡が点状出血もしくは流血し、場合によっては水ぶくれができることがあります。体質にもよりますが、刺されてすぐには痒みなどもなく、半日〜1日くらい経ってから痒みや腫れが出ることが多いです。

痒みと腫れは何もしなければ1〜2週間ほど続き、体質によっては1ヶ月以上腫れが引かないこともあります。ブヨに対するアレルギー反応が過敏な人が一度に多く吸血されると、リンパ管やリンパ節の炎症を起こしたり、呼吸困難に陥ることもあります。

ブヨに刺されないための予防法

ブヨに刺されないためには、まずは肌の露出をできるだけ避けることが重要です。山登りやキャンプではできるだけ軽装は避け、長袖、長ズボンに手袋などを身につけるようにしましょう。

特に足下は刺されやすいので、靴と長靴下でしっかりガードしましょう。見た目が気にならなければ長靴やゲートルを履くと万全です。

虫除けスプレーをするのも効果的ですが、ブヨには蚊用の虫除けスプレーは効きません。ブヨ専用のものを購入するか、薬局などで売っているハッカ油を薄めたものをスプレーしましょう。

ブヨに刺されてしまったら

ブヨに刺されたことに気がついたら、まず傷口から毒を吸い出します。この作業は毒が浸透してしまう前に迅速にする必要があります。毒抜き専用のポイズンリムーバーという器具があれば一番よいですが、なくても毒を口で吸い出すのはやめましょう。

歯周病などがあると、そこから体内に毒が入り込んでしまいます。ブヨのいそうなところへ行く時は、ポイズンリムーバーをあらかじめ準備しておくとよいでしょう。

毒を吸い出せたら、ムヒやウナコーワなどの抗ヒスタミン剤を塗って痒みを抑えます。こちらも、山やキャンプへ行く時は必ず用意しておきましょう。痒いからと患部をかいてしまうと腫れが引かなくなったり、悪化してしまうことになります。これらの応急処置をしても痒みや腫れが引かない場合は、速やかに皮膚科の診療を受けましょう。

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