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敏感肌になると肌が炎症しやすい理由

更新日:2016.12.09
公開日:2015.04.14
ドクター画像
この記事の監修者
溝の口駅前皮膚科 院長 玉城有紀

敏感肌のときは、ちょっとしたことで、肌が赤くなったり、火照ったり、腫れ上がったり、痛くなったりするなど、「炎症」を起こしやすいものですが、それはどうしてでしょうか?今回は、敏感肌だと炎症しやすい理由をご紹介していきます。

頬を触っている男性

肌の炎症とは?

敏感肌の人は、肌が赤くなったり、ほてって熱を帯びたり、皮膚が腫れ上がったり、ヒリヒリ痛んだりしやすいものですが、これら4つの症状は、すべて肌の「炎症」によるものです。でも、どうして敏感肌の人は、肌が炎症を起こしてしまいやすいのでしょうか?今回は、敏感肌と炎症の関係についてご紹介していきます。

敏感肌が炎症しやすい理由

肌というと、1枚の皮のことだと思いがちですが、実は、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層でできています。また、1番上にある表皮も、いくつかの層に分けることができ、表皮のもっとも表面にあるのが、「角質層」です。

角質層は、わずか0.02mmほどのラップのように薄い膜ですが、その中には、水分をしっかりと抱え込んだ「角質細胞」がレンガのように、みっちりと積み重なっています。そして、この角質細胞と角質細胞のすき間も、「角質細胞間脂質」によって、埋め尽くされているのです。

角質層の中が、なぜこのような構造になっているのかというと、それは、細菌やホコリ、紫外線などといった有害な物質が、肌の中に侵入するのを防ぐため。つまり角質層は、外的刺激から肌を守るバリアの役割を果たしているのです。

しかし何らかの原因で、角質層が乾燥してスカスカになっていると、バリア機能が低下し、外的刺激が肌の中に侵入しやすくなるので、ちょっとしたことで、すぐに肌が反応する敏感肌になってしまうのです。

炎症は体の免疫反応

肌の中に有害物質が侵入してしまったとき、そのままにしていては、体がむしばまれてしまいます。そこで、有害物質をやっつけるために起こるのが、体の「免疫反応」で、肌の炎症も、この免疫反応によって起こります。

具体的には、有害物質を運び去るために、刺激を受けた付近の毛細血管の血流が増えて充血することで、肌が赤くなったり、火照ったりしたり、血流の増加に伴ってリンパ液が増えることで、皮膚が腫れ上がったりします。

また、炎症によって痛みが起こるのは、白血球が有害物質を攻撃することで、「生理活性物質」が増えるからです。

炎症を起こしているときのケア

このように炎症は、有害物質を体から排除するために起こっているものなので、むやみに抑えこんでしまうのは考えものです。まずは、保湿ケアをきちんと行うことで、損なわれているバリア機能を正常に戻せるようにしましょう。

ただし、化粧品の成分が肌を刺激してしまう可能性もあるので、敏感肌のときは、低刺激な製品を使い、シンプルなスキンケアをすることが大切です。また、しばらくこういったケアを続けていても、肌の状態が一向に良くならなかったり、あまりにも炎症がひどかったりする場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

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