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入れ歯のメリットとデメリットとは

更新日:2017.10.13
公開日:2017.10.13
ドクター画像
この記事の監修者
医療法人社団史祥会 理事長 岩塚祥穗

入れ歯には、保険適用で作れるものから自由治療のものなど、さまざまな種類があります。入れ歯にはどのようなメリットやデメリットがあるのかについて、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

入れ歯には保険適用の入れ歯と、自由診療(保険適用外)の入れ歯があります。ここではそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

保険適用の入れ歯

歯茎部分の床がレジンのもののみ保険適用とされています。総入れ歯の場合は目立ちにくいといわれていますが、部分入れ歯の場合は入れ歯を固定するクラスプと呼ばれる部分が金属のものしか選べないため、見た目で入れ歯であることがわかってしまうのが難点です。

自由診療の入れ歯

自由診療の入れ歯は、つけ心地や見た目などから、さまざまな種類の床や人工歯を選んで作ることが可能なので、こだわって作りたい人に向いています。例えば、自由診療の入れ歯には「床(しょう)」と呼ばれる歯茎部分にも選択肢があります。 保険適用で作れるレジン床は、価格が安いこと、プラスチックであるために加工や修正がしやすいといったメリットがありますが、ニオイがつきやすい、変色したりすり減ったりする、食事のときに食べ物の温度がわかりにくい、違和感が強いといったデメリットがあります。これに対して、自由診療の入れ歯で選択できる金属床は金合金やチタン、白金加金を使って作られるもので、違和感が少ない、食べ物の温度がわかりやすい、汚れにくいなどのメリットがあります。ただし、保険適用外の自由治療となるため、保険適用の入れ歯と比べると高額になりがちです。歯科医院によって費用にばらつきがあるので、自由治療で入れ歯を作る場合は、事前に費用面の確認をしておきましょう。自由診療の入れ歯には次のようなものがあります。

ノンクラスプデンチャー

弾性のある樹脂によって部分入れ歯を固定する方式です。一般的な部分入れ歯ではクラスプと呼ばれる金属製の留め具部分が目立つという審美的な問題がありますが、ノンクラスプデンチャーは歯茎の色に近い樹脂で作られているので目立ちにくいというメリットがあります。残存歯が少ないと適用とならないことがあり、また、寿命は2~3年と比較的短めです。

コーヌスクローネ

残っている歯に入れ歯の土台となるクラウン(内冠)を付け、入れ歯側の外冠と組み合わせて摩擦力で固定する方式です。クラスプを使用するのではなく、自分の歯を活用するので審美的に優れており、一般的な入れ歯に比べてしっかりと噛むことができます。クラスプを使用するタイプに比べて、周囲の歯への負担は軽減しますが、土台となる歯を削る必要があります。高度な技術が必要となるこの治療法を採用する歯科医師は限られており、費用負担は大きめといえます。

磁石アタッチメントデンチャー

残った歯の根っこに金属を接着し、入れ歯側に磁石を埋め込むことで磁力によって固定する方式です。クラスプを用いないので審美的に優れており、また、噛んだときに入れ歯がずれにくいというメリットがあります。磁気アレルギーのある人には適用となりません。

入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯にすることには、さまざまなメリットとデメリットがあります。入れ歯を検討している人はメリットとデメリットを知り、参考にしてみてください。

入れ歯のメリット

・食事が楽しめる
・しっかり咀嚼できるので内臓への負担が減る
・かみ合わせが良くなり、姿勢が改善する可能性がある
・歯が欠けていることの不安が解消し、自信につながる
入れ歯をすることで虫歯や歯周病を気にして自分に自信がなくなってしまった人は、自信を取り戻すことができるかもしれません。また、よく噛んで食事ができるため、唾液の分泌量が上がりアンチエイジングにつながる、食事が楽しめる、内臓への負担が少なくなるといったメリットがあげられます。噛み合わせがよくなることで、肩こりや頭痛といった悩みから解放される人もいますし、背筋が伸びて姿勢がよくなったと感じる人もいるようです。

入れ歯のデメリット

・口に違和感がある
・噛みにくいと感じることがある
・手入れを怠るとニオイが気になることがある
・見た目が気になることがある
・話にくいと感じることがある
・温度が伝わりにくく、食事の満足感を得にくいことがある
ぴったりと自分に合った入れ歯でない場合は噛みにくさや頭痛、肩こりといった症状がみられることがあります。また、手入れが行き届かないと口臭が気になってしまうこともあります。ただし、こうした入れ歯のデメリットは、熟練した歯科医による調整や、自由診療の入れ歯の選択、適切なメンテナンスによって軽減できる部分も大きいでしょう。大切なことは、入れ歯を作ることのメリットがデメリットを上回っていることでしょう。

虫歯や歯周病などによって歯を失った場合、入れ歯で補うことができます。その際には、保険適用内で行うのか自由治療にするのかを考えること、メリットとデメリットから自分に合ったものを見つけていくことが大切です。

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