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ヘアサイクルで見る育毛のメカニズム

更新日:2018.09.12
公開日:2014.11.04
ドクター画像
この記事の監修者
アイランドタワークリニック新宿院 院長 坂本有孝

抜け毛などに関わらず、髪の毛は常に生え変わります。ヘアサイクルについて知ることは、育毛を考えるのに欠かせないポイントです。ドクター監修のもと、ヘアサイクルについて詳しくご紹介し、それが薄毛とどう関係してくるのかを解説します。

ヘアサイクルとは?

発毛から成長、脱毛を経て、また生え始めるという髪の毛の成長サイクルを、ヘアサイクルと言います。ヘアサイクルは、発毛から成長の過程である「成長期」、成長の休止期間である「退行期」、脱毛を経て再び生え始める準備期間である「休止期」と、3つのセクションに分けることができます。

●成長期
毛母細胞内で活発に細胞分裂が起こり、毛髪が成長する時期です。ヘアサイクルが正常に機能している場合の成長期は、約4~6年とされており、髪はこの間に太く長く育ちます。

●退行期
毛母細胞内で分裂をくりかえしていた細胞の活動が弱まり、毛髪の成長が止まる時期で、その期間は2~3週間程度とされています。

●休止期
新しくつくられた毛髪に押し出されるような形で、成長しきった古い毛髪が抜け落ちる時期です。抜け落ちた毛根では、新しい毛髪が再び生える準備をしています。

このように、毛髪は永遠に生えているわけではなく、成長を遂げると自然に抜け落ち、生え代わりながら存在しているのです。つまり、生活の中でよく見かける抜け毛は、寿命を迎えて抜け落ちた古い毛というわけです。

薄毛はヘアサイクルの乱れから来る

ヘアサイクルが乱れるというのは、髪が未熟なまま成長を止めてしまうことを言います。そのため、ヘアサイクルが乱れると毛髪の成長期が短くなり、十分に成長する前に抜け落ちてしまいます。成長しきる前に抜け落ちるということは、それだけ頭皮にとどまる期間が短く、抜け落ちる本数も多くなるということ。また、頭皮にとどまっている髪も成長していない細く短い髪だらけになるため、頭皮があらわになってしまうのです。これが、ヘアサイクルの乱れが薄毛を進行させるという理由です。

細く短くなった髪を成長させる“育毛”

抜け毛や薄毛に悩み始めたら、まず育毛剤の使用を検討する方も多いと思います。では、そもそも“育毛”とはどのような作用を表した言葉なのでしょうか?「髪を抜けなくする」「髪を生やしてくれる」というような漠然としたイメージだけが蔓延しているように思われますが、正しいヘアケアのためにも、実際のメカニズムについてしっかり把握しておく必要があると思います。

“育毛”とは、ヘアサイクルの乱れにより細く短いまま成長を止めてしまった髪の毛を、再び太く長く成長させるよう促すことを言います。つまり、生えるのをやめてしまった毛根から再び髪を生やすのではなく、あるものを健康にするという考え方です。そのため、育毛剤と呼ばれるものには、毛母細胞を活性化させたり、髪の成長を妨げる物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する効果をもたらすとされる成分が多く含まれています。

※ジヒドロテストステロン(DHT)が髪にもたらす影響について、詳しくは育毛を妨げるDHT(ジヒドロテストステロン)とはをご覧ください。

今のところ、生えるのをやめてしまった毛根から再び毛を生やすのは限りなく不可能に近いといわれています。そのため、進行した薄毛を改善することは難しく、弱くなった髪が再び太く成長するサポートをすることで、その進行を遅らせることでしか対処できないとされています。そのため、抜け毛が気になりだしたらすぐに専門医に相談することをおすすめします。早めの対策が未来の毛髪をつくるカギになることを忘れないでください。

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