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植毛した髪の寿命はどのくらい?
「植毛」とは、頭皮が露出した部分に外科手術で毛を植え込んでいく方法です。手術までしたのに「すぐに抜けてしまった」という話を聞くこともありますが、それは本当でしょうか?植毛した髪がどれぐらいもつのかについて解説します。
自毛植毛した髪はすぐに抜ける?
「自毛植毛」とは、後頭部や側頭部に生えている自分の髪を頭皮ごと採取して、薄毛が気になる部分に移植する方法ですが、移植した髪のほとんどは、術後1か月程度で抜け落ちるのが一般的です。「たったの1か月しかもたないの?」と驚くかもしれませんが、これは髪の「ヘアサイクル」によるもので、一時的な現象です。
ヘアサイクルとは、1本の髪が成長しはじめてから抜け落ちるまでの周期を言います。この周期には、「成長期(約4~6年)」「退行期(3週間)」「休止期(3~6か月)」という3つの時期があるのですが、成長期に髪は太く長く成長します。しかし、髪の成長は退行期になるとストップし、休止期になると抜け落ちるのを待ちます。そして、その下で新しく髪を作る準備が始まるのです。休止期が過ぎると、もともとあった髪は下から新しく生えてきた髪に押し出されるような形で、自然に抜け落ちていきます。
つまり、植毛した髪が抜け落ちるのは、その下で新しい髪が生える準備が整ったということなのです。術後だいたい2~3か月経つと、産毛のような状態でまた新しく生えてきます。そして、半年ほどすればすべて生え揃い、個人差はありますが、10か月~1年ほど経てば太くてしっかりした髪が5~10cmくらいまで伸びます。
男性の髪が薄毛になる原因は、男性ホルモンの影響です。しかし、自毛植毛で使う後頭部や側頭部の髪は、この脱毛を促す男性ホルモンの影響をほとんど受けません。そして、植毛した髪はもともとの性質を維持するため、ヘアサイクルをくりかえしながら生涯にわたって生え続けます。そのため、術後のメンテナンスが必要なく、一度施術をしてしまえばそれ以降のコストはかかりません。
人工毛植毛の場合は?
「人工毛植毛」では、合成繊維でつくられた人工毛を使います。そのため、移植した髪が成長することはもちろんありません。それどころか、合成繊維は体にとって「異物」であるため、異物を排除しようとする体の免疫作用によって抜けやすい傾向にあり、1年もすればだいたい半分くらいが抜けてしまうといわれています。よって、髪のボリュームを維持するためには、年に1~2回の頻度でメンテナンスをする必要があるのです。
このように、移植した髪の寿命は、自毛と人工毛でまったく変わります。施術の難しさなどにより1回の手術は自毛植毛の方がはるかにコストはかかりますが、長期的に考えればメリットの大きい方法と言えます。
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