男性に多いM字型脱毛

頭髪の薄毛は、男性にとって大きな悩みの種です。中でも、額の両側から生え際が後退する「M字型脱毛」の相談が、一番多いといわれています。

「男性型脱毛症（AGA）」によく見られる脱毛のパターンには、M字型だけでなく、頭頂部が薄くなる「O字型脱毛」、両方が混在している「U字型脱毛」などがあります。しかし、上からでないと見えづらい頭頂部と違って、額の生え際はすぐに目についてしまう部位であるため、M字型脱毛は特に目立ち、悩みやすいと言えるのです。

男性型脱毛症は、加齢や生活習慣などのさまざまな要因が複雑に絡み合って引き起こされますが、根本原因は男性ホルモンの影響（＝遺伝）です。男性ホルモンには「毛を生やす」働きがあるのですが、付近の皮脂腺から分泌される特殊な酵素と結びつくと、「脱毛を促す物質」に変わってしまうのです。ただし、後頭部や側頭部は、この影響を受けません。この部分にだけ髪が残るのは、こういった理由からなのです。

男性型脱毛症と男性ホルモンの関係について、詳しくは自毛植毛ってなに？をご覧ください。

M字型脱毛の自毛植毛とその注意点

自毛植毛とは、脱毛しにくい性質を持つ後頭部や側頭部の髪を毛包ごと採取して、薄毛の部位に移植するという方法です。移植した髪はもともと持っていた性質を維持し続けるため、生涯に渡って生え代わります。M字型脱毛であれば、薄毛の範囲がそれほど広くないため、比較的短い時間と安価で施術を受けることが可能です。また、施術後のメンテナンスや再手術が不要なため、長い目で見ても、他のケア方法より経済的で安心と言えます。

ただし、M字型脱毛の植毛は、生え際をどのような形にするのか、植え込む髪の向きをどうするのかといった「デザイン」をよく考えないと、仕上がりが不自然になり余計に目立ってしまいます。また、男性型脱毛症は進行するため、年月が経つと移植した髪以外の脱毛が進行し、植毛した髪だけが残ってしまう可能性もあります。よって、今後の脱毛のことを見越したデザインを考える必要もあるのです。

ただ、このようなデザインは、患者本人が考えつけるようなものではありません。医師のアドバイスや判断を仰ぐ必要があります。よって、M字型脱毛部位の植毛をする際は、できるだけ症例数が多く、実績のあるクリニックを選ぶようにしましょう。知識と経験が豊富な医師であれば、どのようなデザインで植毛すればより自然な仕上がりになるのかということを熟知しているはずです。人目につきやすい部位である分、クリニックと施術方法選びは慎重に行うことをおすすめします。