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AGA治療は生え際にも行える?
AGA(男性型脱毛症)の中でも額の生え際の脱毛を気にしている方は多いことでしょう。額の生え際の脱毛にはその他の脱毛とは異なる特徴があるのでしょうか。ここではドクター監修のもとで生え際の脱毛について解説します。
AGA(男性型脱毛症)の治療を検討している人の中には、「特に気になる生え際を改善したい」という希望を持つ人も多いことでしょう。ここでは生え際の薄毛の特徴と治療法について見てみましょう。
M型脱毛とも呼ばれる生え際の脱毛
生え際の脱毛は額が後退して生え際がM字のように見えることから、「M型脱毛」と呼ばれることもあり、AGA(男性型脱毛症)の中で代表的なタイプのひとつとされています。
AGAにおける脱毛の進行の仕方には、大きく分けて次の3つのタイプがあります。 ・前頭部から薄くなるタイプ ・頭頂部から薄くなるタイプ ・前頭部と頭頂部の両方が薄くなるタイプ
この内、前頭部から薄くなるタイプがM型脱毛に該当し、額の生え際から脱毛し始め、頭頂部に向かって後退していくのが特徴です。AGAの分類には「ハミルトン・ノーウッド分類」という、欧米人のデータをもとにした診断指針があります。しかし、前頭部から脱毛が始まることが多い欧米人とは異なり、日本人には頭頂部から脱毛が始まることが多いという違いがあり、日本人向けには「ハミルトン・ノーウッド分類」を修正した「高島分類」という診断指針があります。
生え際の脱毛が起きる理由
AGAが進行する理由は、5αリクターゼという酵素が男性ホルモンのテストステロンをジヒデロテストステロンに変換し、このジヒデロテストステロンが毛母細胞の男性ホルモン受容体と結合すると髪を後退期、休止期に移行させる信号が送られ、正常なヘアサイクルが乱されます。
M型脱毛についても、5αリクターゼが影響する点は同様ですが、前頭部には頭頂部の約2倍に相当するⅡ型5αリクターゼがあるといわれています。額の生え際はそれだけ影響を受けやすい部位といえるのです。
また、発毛には頭皮のやわらかさと血行の良さが関係していますが、額の生え際にはこの点でも不利な条件があります。顔の皮膚に近い額の生え際の頭皮は表情の影響を受けやすく、ストレスなどで緊張した表情が続くと頭皮も固くなりがちです。また、額の生え際は頭頂部と比べても血管が少なく、発毛に必要な栄養が不足しやすいと考えられます。
生え際に対するAGA治療のアプローチ
AGA治療は頭頂部の薄毛であっても生え際の薄毛であっても、基本的なアプローチは同じです。推奨されている治療法はミノキシジルの外用療法とフィナステリドの内服療法となります。
フィナステリドは5αリクターゼの働きを抑制することでヘアサイクルを正常にし、薄毛の進行を止めることができます。血管を広げる作用のあるミノキシジルは頭皮の血行を改善して発毛を促すことができます。
これに加え、もともと血行が悪くなりやすい額の生え際に対して、頭皮マッサージによって血行を良くし、硬くなった皮膚をやわらかくほぐすことは、科学的な根拠があるわけではないものの必要な栄養を送り込む上でおそらく有益でしょう。
AGA治療の対象とならないケースとは
頭頂部から薄くなるタイプであっても前頭部から薄くなるタイプであっても、AGAによる薄毛は治療の対象となります。ただし、脱毛が進んでから時間が経過し、毛母細胞が全く活動していない状態は治療の対象とはなりません。毛母細胞が働いていなければ、5αリクターゼを抑制する、血行を改善する、といった治療を行っても髪が生えてこないからです。産毛も生えなくなっている状態の場合、毛母細胞が活動していない可能性が高いといえます。
AGA治療の対象とならない生え際の脱毛に対しては、自毛植毛やかつらによって人に与える印象を変え、QOL(生活の質)を向上させる選択肢があります。かつらはAGA治療を行わない場合だけでなく、治療を行いながら併用することも可能です。大きな副作用もなく見た目の印象を変えられるのがかつらの利点です。自毛植毛術は、自分自身の毛髪を採取して脱毛の進んでいる部位に植毛する治療法です。植毛された毛髪は、成長したり、生え変わったりします。特別なメンテナンスをしなくても自分の髪として生え続けるのは自毛植毛術の利点です。
このように額の生え際の脱毛は髪を生やすのが難しい部位と考えられてはいますが、産毛が生えている段階ならフィナステリド内服療法やミノキシジル外用療法といったAGA治療の対象となります。脱毛してから時間が経ち、産毛が生えてない場合は髪を生やす治療の対象とはならないので、QOLの向上を望む場合は自毛植毛術やかつらが選択肢となります。
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