※“若ハゲ”という言葉は、若い頃から髪が薄くなっている状態を指す“若年性脱毛症”の別称とされていますが、実は、この“若年性脱毛症”という言葉も、ある種の脱毛症状を指す正式病名ではありません。ただし、どちらも広く認知されている言葉であるため、この記事ではあえて使用しています。

“若ハゲ”の原因とは？

20代から30代前半の間（まれに10代でも）に起こる若年性脱毛症、いわゆる“若ハゲ”は、若い時期に起こる脱毛症として、AGA（男性型脱毛症）などの別称となっています。

AGA（男性型脱毛症）とは、「ジヒドロテストステロン（DHT）」の影響とされています。「ジヒドロテストステロン（DHT）」とは、男性ホルモンである「テストステロン」と、主に毛根周辺で分泌される5αリダクターゼが結びつくことで生成される物質で、これが男性ホルモン受容体と結びつくと毛髪の成長が妨げられてしまいます。これにより、毛髪は細く短いまま成長を止め、その状態で抜けてしまうため、薄毛が進行するといわれています。

AGAは、さまざまな原因が複合的にからみあって発症するといわれています。ただ、具体的な原因については、はっきりとした研究結果が出ておらず、「原因となり得る」という域を出ていません。というのも、その他の原因と考えられているものは、すべて体内機能の不調にあるからです。これは、人間の生活に関わる問題である以上、特定できないのが正直なところです。

ただし、頭皮と髪も体の一部である以上、影響を受けないはずはありません。一人ひとりの原因を明確にできるものではありませんが、何かしらの体内機能の不調がその一因となっているであろうことを理解しておく必要はあるでしょう。特に、予防という観点では、生活習慣の見直しがある程度の影響を及ぼす可能性があるため、できることから正していくことをおすすめします。

AGAなどの脱毛症を引き起こされるといわれている原因と、そう言える理由（薄毛を引き起こすと考えられる体内メカニズム）について解説します。

ストレス

ストレスにより自律神経に乱れが生じると、血管の収縮が引き起こされます。血管が収縮すると血流が悪くなるため、毛髪に必要な栄養素がスムーズに毛乳頭へ届けられなくなると考えられています。

不規則なライフスタイル

毛髪や爪、皮膚などの形成と成長に大きく関わる成長ホルモンは、寝ている間に分泌されます。特に、入眠後約30分～1時間後のノンレム睡眠（深い眠り）に入ったタイミングで多く分泌されるといわれています。毛髪の材料となるケラチンの合成には成長ホルモンの働きが深く関係しているため、髪の成長のためには深く良質な睡眠が必要と考えられています。

偏った食生活

毛髪は、主にケラチン（タンパク質）で作られており、これを合成するためには亜鉛などのミネラルが欠かせません。しかし、栄養素は生命維持に関わりのある部位から消費されるため、爪や毛髪への供給順位はかなり低くなっています。体内に摂り込んだ栄養素が不足していると毛髪まで回ってこなくなるため、形成と成長に大きな影響をきたすと考えられています。

眼精疲労

眼精疲労は頭皮の血行不良を招く原因になるばかりでなく、目のダメージを補うために、毛髪の形成に必要な成分であるシスチンも消費してしまいます。 現代社会においてスマホやパソコンなどなくてはならない存在となっています。しかし、過度の使用による眼精疲労は薄毛の原因となる可能性があるため、注意が必要です。

このように、若いうちから薄毛に悩まされている人は、ジヒドロテストステロンの影響だけでなく、ライフスタイルにも問題があるのかもしれません。健康な毛髪を維持するためにも、今一度、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。