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AGA(男性型脱毛症)の症状と原因
AGA(男性型脱毛症)の原因は、未だわかっていない部分も多いですが、その一つとして男性ホルモン・DHT(ジヒドロテストステロン)の影響が確認されています。ここではドクター監修のもと、AGAに陥るメカニズムについて詳しく解説します。
男性型脱毛症(AGA)について
男性特有の薄毛を「男性型脱毛症(AGA)」と言いますが、生え際の後退はこの男性型脱毛症の典型的な症状です。生え際は人目につきやすいため、気にしている方も多いと思われます。男性型脱毛症について、原因と症状などをみてみましょう。
男性の薄毛は生え際からくる
男性型脱毛症の原因は、男性ホルモンのひとつである「ジヒドロテストステロン(DHT)にあります。これは、男性ホルモンの中でも特に重要な働きをする「テストステロン」が、頭皮に存在する「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで作られる強力な男性ホルモンです。このジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞のレセプターに反応して脱毛シグナルを発信すると、髪はうぶ毛のようにやわらかく短い状態のままで成長をストップし、抜け落ちてしまうのです。
自毛植毛で、患者自身の後頭部や側頭部の毛髪を移植用の髪として使用するのは、これらの部位の毛乳頭にはジヒドロテストステロンと反応するレセプターがほとんど存在しないため、脱毛しにくいという性質があるからです。また、薄毛になりやすい部位に移植をしたあとでも、もともとの性質を保ち続けるため、定着すれば生涯にわたって生え続けます。
生え際だけの植毛
自毛植毛は、生え際だけに行うことももちろん可能です。後退している範囲の広さによっても変わりますが、移植に必要な株数は、おおよそ600~1200株とされています。
ただし、生え際の植毛は、形や密度を特に慎重に考える必要があるため、高い技術が必要とされます。生え際のラインが直線過ぎたり、剃り込みが直角だったり、植え付けがまばらだったりすると、不自然になってしまうためです。
また、男性型脱毛症は進行性のものなので、数年経ったときに、植毛した部分だけに毛が残り、その周りは薄毛になっているという可能性も考えられます。ですから、今後薄毛がどう進んでいくかということも考慮する必要があります。
できるだけ、症例数が多く実績のあるクリニックを受診し、髪の状態に合わせてどのように植毛すればいいかを相談しましょう。実績の多い医師であれば、これまでの経験を踏まえて、さまざまなアドバイスをしてくれるでしょう。
AGA(男性型脱毛症)の原因に対する間違った認識
わかめやひじきなどの海藻を食べないと髪の毛が薄くなる、汗をかきやすい人や、頭皮の皮脂が多い人は脱毛症になりやすいなど、頭髪に関する話は誰もが耳にしたことがあるでしょう。しかし、これらは根拠の薄いうわさ話です。効果のない間違った対策を講じてしまわないよう、ここでは正しいAGA(男性型脱毛症)の原因を説明していきます。
AGAはどうして起こるのか
AGAの原因はまだわかっていない部分も多いのですが、そのひとつとして男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響が確認されています。DHTが増加する要因のひとつとして、遺伝があります。男性ホルモン受容体遺伝子という遺伝子があり、毛根を包んでいる毛包の男性ホルモン受容体に影響を与えています。男性ホルモン受容体はDHTに反応するため、AGAのリスクが発生するというわけです。
「父親がAGAだと遺伝する」とか「隔世遺伝する」などと言われますが、いくつかの要因が重なって起こる“多因子遺伝”のため、そう単純ではありません。遺伝には様々な要因がありますが、解明されていない部分も多く、AGAの原因も、遺伝的な要因とともに生活習慣に関連する要因も強いとも言われています。
このDHTは、テストステロンというホルモンが5α還元酵素の働きで変換されることによりできます。この5α還元酵素の働きを阻害するのがAGA治療薬のフィナステリドです。この薬を病院で処方してもらうのが一般的なAGAの治療方法となります。
その他にもさまざまな原因が考えられている
第二次世界大戦以降、AGAが激増したというのもあり、AGAの原因は生活習慣に関連する要因が大きいのではないかと言われています。
確定的な方法ではありませんが、毎日、有酸素運動を行うことによりDHTが減少したという報告もあります。その他にも、偏った食生活・肥満・睡眠不足・ストレス・喫煙・不規則な生活なども原因として考えられています。
これらの中に思い当たるものがあればひとつずつ解消していくのが良いでしょう。
ストレスの影響について
ストレス社会といわれる現代。大なり小なり、何かしらのストレスを抱えている人がほとんどなのではないでしょうか。実はこのストレス、頭髪にも影響を与えてしまうものなのだとか。ストレスが抜け毛や薄毛を加速させるという説は医学的にはまだ証明されていませんが、「ストレスが髪に悪い影響を与える」ということはさまざまな医師から提唱されています。これには、ストレスが引き起こす体内メカニズムが関係していると考えられています。
自律神経の乱れが招く症状 ①血行不良
血行は自律神経がコントロールしているのですが、自律神経はストレスに非常に弱く、過度のストレスを受けると緊張してしまいます。緊張により血管の収縮を招くのですが、血液の流れが悪くなると血行不良に繋がります。毛髪を作り成長させるための栄養を毛根へ運ぶのは血液であるため、血行が悪くなると毛根への栄養供給が滞り、毛髪の形成と成長に影響すると考えられています。血管拡張作用のある薬剤(ミノキシジルなど)がAGA治療薬として使用されていることから、血行と育毛の関係は密接といえるでしょう。
自律神経の乱れが招く症状 ②睡眠不足
ストレスにより自律神経が乱れると、睡眠不足に陥る傾向が高いとされています。睡眠不足により、睡眠時に分泌される成長ホルモンの分泌も低下してしまいます。成長ホルモンは毛髪や爪、皮膚などが成長するために必要なものであるため、この分泌が低下すると、健康な毛髪の育成に影響が出るとされています。
自律神経の乱れが招く症状 ③内臓機能の低下
自律神経の乱れにより内臓機能が低下すると、タンパク質の吸収が阻まれると言われています。タンパク質が減少してしまうと、髪の主成分であるケラチンの合成に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
自律神経の乱れが招く症状 ④頭皮環境の悪化
過度なストレスで自律神経に乱れが生じると、アドレナリンが過剰に分泌されます。すると、体内の活性酸素が増加するため、皮脂腺が活性化して皮脂が過剰に分泌されます。皮脂の過剰分泌は毛穴のつまりを招く原因となるのですが、毛穴がつまると、その周辺で頭皮の常在菌が異常繁殖し、頭皮の炎症を招く可能性があると言われています。頭皮の炎症は毛根にもダメージを与えるため、髪の発育に悪影響を与えると考えられます。
上記のことからも、ストレスと脱毛には密接な関係があることがわかります。また、ストレスが抜け毛だけでなく“若ハゲ”の原因になるといわれる背景には、ストレスを感じている若者の増加があると考えられます。厚生労働省のストレス状況調査によると、男女共に20~40代がもっとも多くなっており、その主な原因は「自分の仕事」となっています。また、12~19歳の子どもたちは、「受験・進学」によりストレスを感じることが多くなっているようです。
学業や仕事など、ストレスの原因となるものは避けて通れない事柄だけに、ストレスをなくすのはなかなか難しいことかもしれません。ですからストレスはなくすのではなく、溜め込まないように意識することが大切だと思われます。髪のためにも、健康のためにも、適度な運動や趣味、入浴など、自分に合ったストレス発散方法を見つけ、ストレスと上手に付き合っていけるよう心がけましょう。
食事・生活習慣について
AGAは男性ホルモンのひとつであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロンに変換され、そのジヒドロテストステロンの作用によって発毛が抑制される事で引き起こされます。
このようにAGAの発症はジヒドロテストステロンが大きく関わっていますが、それ以外にも生活習慣が原因で抜け毛を助長したり、薄毛を進行させてしまうことはあります。頭皮環境によって発毛が阻害される可能性を防ぐために、髪によい生活を心がけることも大切なことだといえるでしょう。
偏った食生活
髪も人体の一部。髪をつくり育てるのは、食事から摂取される栄養のおかげです。髪の元となる良質なタンパク質やアミノ酸が不足していては、健康な髪を維持することはできません。これらの栄養素が不足しないようにバランスのよい食事を心がけましょう。また、動物性油脂の多い食品の過剰摂取は血液の巡りを悪くします。血流が滞ると頭皮まで栄養が行き渡らず、薄毛の原因になるため摂取量には十分注意してください。
アルコールの過剰摂取
アルコールの摂取は過剰な皮脂分泌を起こす可能性があります。皮脂の分泌が過剰になると頭皮の毛穴を塞いでしまうことにもなりかねません。また、大量のアルコールを摂取し肝機能が衰えると、肝臓で生成されるタンパク質が不足し、発毛や育毛を阻害する原因になります。
喫煙
喫煙は慢性的に血管が収縮している状態をつくります。頭皮の血行も悪くなり、髪をつくり育てる栄養も行き渡りにくくなってしまいます。
睡眠不足
人体の成長は寝ている間に分泌される成長ホルモンに大きく左右されます。成長ホルモンの分泌が滞ると髪の成長も滞ってしまいます。
まずは、身体全体のアンチエイジングによい生活をおくることが、健康的な髪を育むことにつながります。身体のアンチエイジングは、髪だけでなく肌などの見た目にも表れます。無理をせず、できることから生活習慣を見直していくことをおすすめします。
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