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抜け毛を減らすための栄養素とは?
健康を維持するには食事内容がとても重要です。では、髪の健康を保ち、抜け毛を予防する食べ物はあるのでしょうか?ドクター監修のもと、髪に必要な栄養素と、それを多く含む食材についてご紹介します。
髪の生育にはアミノ酸が必須
「食」と「体」には密接な関係があります。体は摂取する栄養素によりその健康を保っているため、どのような食生活を送るかによって体調が左右されるといっても過言ではありません。では、髪の健康も同じでしょうか?食べるだけで抜け毛が防げる!という食材は残念ながらありませんが、髪に必要な栄養素というものは存在します。
髪は、主に「ケラチン」で形成されています。「ケラチン」とは、18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質の総称で、髪だけでなく爪や皮膚の角質層も形成している重要な成分です。特徴的なのは、ケラチンには絹や繊維など、他のタンパク質にはほとんど含まれない「シスチン」というアミノ酸が14~18%も含まれていることです。「シスチン」は髪に含まれる「メチオニン」からも合成されるのですが、「メチオニン」は体内では合成されない必須アミノ酸であるため、食事から摂取するしかありません。メチオニンを多く含む食材には、マグロの赤身・シラス・鶏ムネ肉・ナチュラルチーズ・豆製品などがあげられます。
タンパク質の合成に欠かせないミネラル
摂取した食物に含まれるアミノ酸からケラチンを合成する働きをするのがミネラルです。そのため、髪にはタンパク質(ケラチン)と同時にミネラルも必要となります。中でも、毛髪の成長に特に必要となるのは、亜鉛、鉄、マンガン、ビタミン(特にB6、B2)です。
亜鉛
亜鉛には、ケラチンを合成するだけでなく、抜け毛の原因となる酵素を抑制する働きがあります。亜鉛を多く含む食材には、生牡蠣・豚レバー・パルメザンチーズなどがあります。ちなみに、厚生労働省が推奨する1日の亜鉛摂取量は、成人男性で9mg~10 mg、成人女性で7mg~8mgとされています。これは、食材に含まれる量から計算すると、生牡蠣で1つ、豚レバーで2つ、パルメザンチーズで2つ分の量となります(食材100gを1つとして換算)。また、摂取量の上限は、成人男性で40~45mg、成人女性で35mgとなっています。これ以上摂取すると深刻な健康被害を招く可能性があるため、注意しましょう。
鉄分
鉄分は、血液中に含まれるヘモグロビンの生成に不可欠な栄養素です。ヘモグロビンとはタンパク質の一種で、酸素と結びついて全身の細胞に酸素を供給する役割を担っています。よって、潤いのある健康な髪を維持するのに必要な成分のひとつとされています。多く含む食材には、レバー・マグロ・ほうれん草・ひじき・豆乳などがあります。なお、鉄分はビタミンCと一緒に摂取することで、吸収が高まります。
マンガン
タンパク質や脂肪の代謝を助ける酵素の構成成分であるため、ケラチンの合成に欠かせないミネラルです。マンガンを多く含む食材には、生姜、日本茶(玉露)、しそ、しじみなどがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6は、ケラチンを合成する亜鉛の働きをサポートします。また、不足すると貧血や頭皮環境の悪化を招く要因になるともいわれます。カツオ・マグロ・サバ・くるみ・バナナなどに多く含まれるので、意識的に摂りましょう。他にも、頭皮環境を整えるのに効果的なビタミンB2や、髪の健康や頭皮の血行促進をもたらすビタミンCなどが、髪に必要なビタミンとしてあげられます。
食事はバランスよく
ここまで、髪に必要な成分をご紹介してきましたが、忘れてはならないのが、髪も体の一部ということです。つまり、体の健康が髪の健康につながるということ。健康を保つには、何よりもバランスのよい食事が不可欠です。髪に必要な成分だからといってそればかり摂っていては、栄養のバランスが崩れてしまい、本末転倒となってしまいます。
また、「必ず抜け毛が減る」という栄養素はありません。よく、「髪を生やす食べ物=ワカメ」という話を耳にしますが、まったく信憑性のないものです。「海藻=ミネラル」という考えからこのような説が出回ったと思われますが、そもそも海藻類には髪への効果が期待できるほどのミネラル量は含まれていません。健康な育毛環境のためには、特定の食品ではなく、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。毎日の食事で十分に補給できない栄養素については、サプリメントで補うのも一案です。食事によるインナーケアと共に、頭皮に良い成分が配合されたシャンプーや育毛剤を使って外からもケアすれば、抜け毛予防は万全と言えるでしょう。
※頭皮環境の整えに効果的な成分について、詳しくは『抜け毛対策に効果的な成分とは』をご覧ください。
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