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男の頭皮に臭いがでる原因と対処方法とは

更新日:2017.04.11
公開日:2015.08.14
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この記事の監修者
松下皮フ形成外科 院長 松下博明

男性の頭皮は女性よりも、脂っぽくて、臭いが強いイメージがあります。実際にその傾向があるのですが、その原因とは?また、ベタつきやニオイのケア方法など、医師の監修のもと、頭皮に臭いが出るメカニズムと対処方法について詳しく解説していきます。

「頭皮の臭い」というと、女性よりも男性のほうが、臭くなりやすい印象を持っているのではないでしょうか。実はこれは、「ただそんな感じがする」という話ではなく、男性のほうが、頭皮に臭いが出やすい傾向があります。その原因と対処方法を解説していきます。

皮脂の分泌の多さが臭いの原因に

そもそも頭皮は、なぜ臭くなるのでしょうか?それには、「皮脂」が大きく関係しています。頭皮は、体の中でも、皮脂腺が非常に多く、皮脂の分泌が活発な場所です。脂っぽくなりやすい部分というと、鼻から額にかけてのTゾーンがありますが、頭皮には、このTゾーンの約2倍もの皮脂腺があるといわれているほどです。また、皮脂の分泌には、男性ホルモンも影響しているので、男性は女性に比べると、どうしても、頭皮がベタつきやすい傾向があるのです。

しかし、分泌された皮脂がすぐに臭うわけではなく、分泌されてから起こる反応によって臭いを放つのです。

皮脂の酸化と菌の繁殖

では、なぜ皮脂の分泌が多いと、頭皮が臭うようになるのでしょうか?その理由の1つは、皮脂と汗が混じり合ったものが、空気中の酸素によって酸化されると、嫌な臭いを放つようになるからです。そしてもう1つの理由は、皮脂を栄養源にして、頭皮の常在菌(マラセチア菌)が異常繁殖し、この常在菌が、悪臭を放つ脂肪酸を排泄するためです。

間違った洗髪とヘアケアによる原因

毎日シャンプーをしているのに、何だか頭皮が臭うというときは、ヘアケアの方法や生活習慣に原因があるのかもしれません。皆さんは、頭皮のベタつきや臭いが気になったとき、どんなふうに髪を洗うでしょうか?頭皮をスッキリしたくて、ゴシゴシ力を入れて、地肌をこすったりしませんか?また、髪を洗い終わったあとも、タオルでワシャワシャ豪快に拭くだけで、髪を乾かさずに、そのまま寝たりしていないでしょうか?実は、こういった習慣も臭いの原因になるのです。

原因(1)頭皮の皮脂の洗い残し

頭皮が臭う原因として、頭皮の皮脂をきちんと落とせていないことが考えられます。古くなった食用油が酸化して嫌な臭いを放つように、皮脂も時間が経つと酸化して臭いを放ちます。また、皮脂腺から分泌される脂肪酸が過酸化脂質によって酸化されると、加齢臭のもとになる「ノネナール」が発生するため、それも頭皮の臭いにつながるといわれています。シャンプーをするときは、地肌もよく洗うようにしましょう。

原因(2)皮脂を落とし過ぎている

洗い残した頭皮の皮脂がいの原因になりますが、かえって皮脂を落としすぎるのもNGです。皮脂には、汗と交じり合って「皮脂膜」となり、皮膚をコーティングして守ったり、肌表面を弱酸性に保って雑菌の繁殖を抑えたりする役割があります。そのため、皮脂を落とし過ぎると、それを補うために、かえって皮脂の分泌が過剰になってしまい、臭いの原因になることがあります。1日に何度もシャンプーをしたり、頭皮をゴシゴシこすって洗ったり、必要以上に洗浄力の強いシャンプーを使ったりするのはやめましょう。また、強い摩擦によって地肌や髪が傷つくと、そこに細菌が入り込んでしまうこともあります。

原因(3)髪の生乾きによる雑菌の繁殖

シャンプーをした後に、ドライヤーでしっかり髪を乾かさないことも、頭皮が臭う原因になることがあります。髪が生乾きの状態でいると、地肌の湿度が高くなって、菌が繁殖しやすくなったり、髪の毛に空気中のいろいろな臭いが吸着しやすくなったりもします。。洗髪をしたら、自然乾燥せずにできるだけ早く、ドライヤーで髪を乾かすことがポイントです。

頭皮の湿疹や皮膚炎の可能性も

カサカサとしたフケが多い、頭だけでなく額や鼻のまわり(いわゆるTゾーン)、髪の生え際などがベタついたり、赤くなったり、かゆみをともなう場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。脂漏性皮膚炎は、頭皮、鼻の周り、額、耳などの皮脂の分泌が活発なところに起こりやすいといわれています。悪化因子として、マラセチア属の酵母菌が関与する場合もあります。

頭皮の乾燥が原因の皮脂欠乏性皮膚炎(湿疹)

頭皮も肌の一種なので当然バリア機能は存在します。肌と同じく、過度なシャンプーなどによって頭皮が乾燥すると、このバリア機能が低下してしまいます。特に空気が乾燥する冬場などに、頭皮の乾燥を放っておくと、シャンプーなどの刺激で湿疹・皮膚炎が発症し、かゆみや赤みが生じることがあります。この頭皮の乾燥による頭皮湿疹は、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方に多く見られます。

自己流でケアを行うと、さらに症状を悪化させる可能性があります。ヘアケアを見直しても症状が治らない場合は、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

男性は臭いが出やすい性質があるからこそ、特に髪の洗い方や乾かし方に注意したいものです。

『頭皮の臭いをすっきりさせる正しいシャンプーの仕方』

『しっかり乾かしてる?頭皮の臭いを予防する正しいドライヤーの使い方』のページで、正しい髪の洗い方や乾かし方をご紹介しているので、ぜひ、参考にしてください。

生活習慣の見直しが頭皮の臭いケアにつながる

肉中心の食生活をひかえる

頭皮の臭いというと、ヘアケアに問題があると考えがちですが、肉食中心の食生活も影響するといわれています。というのも、肉に多く含まれる動物性タンパク質や脂肪を摂り過ぎると、悪臭の元になる「インドール」「スカトール」「硫化水素」が体内にたまり、それが体臭や頭皮の臭いに影響するといわれています。また、脂っこいものばかり食べていると、皮脂腺の働きが活発になるため、皮脂の分泌量が増えるともいわれています。

髪に必要な栄養素を補う

髪の毛も頭皮もケラチンと言うタンパク質です。ケラチンを合成するには、亜鉛、鉄、ビタミンBなどが使われます。貧血があると抜け毛が多くなります。亜鉛欠乏も育毛に影響します。タンパク質を中心に、根菜類、海藻類、きのこ類などバランスのよい食事が健康的な頭皮・毛髪を作ります。皮脂分泌過剰の脂漏性の場合は、ビタミンA、ビタミンBを意識して摂取し、高GI値糖質や油分の多い食品を控えるとよいでしょう。過酸化脂質を防ぐには、抗酸化食品のビタミンC、E、ポリフェノールなどが有効です

飲酒と喫煙を控える

アルコールは肝臓でビタミンBを使って解毒されます。毛髪の材料も肝臓でビタミンBを使って合成されます。アルコール過剰摂取は、肝臓に負担をかけ、頭皮・毛髪の状態を悪化させます。喫煙は、ニコチンを無毒化させるために大量の抗酸化成分を消費します。またニコチンは血流を悪化させるため、頭皮、毛髪へ影響し、臭いやすい状態にします。

睡眠をとる

睡眠中に成長ホルモンが分泌され、頭皮や毛髪を健康的な状態に維持します。しかし睡眠不足になると、成長ホルモン分泌が低下するだけでなく、血行不良、酸化ストレスにより、頭皮状態が悪化します。臭いだけでなく脱毛の一因となります。

ホルモンバランスに配慮

男性ホルモンや女性の黄体ホルモンには皮脂腺を活発にする働きがあります。月経前の黄体ホルモン分泌で、皮脂腺も活発になり、一般的に脂っぽくなります。女性ホルモンのバランスが崩れ生理不順になると、頭皮の皮脂分泌が過剰になることもあります。

健康的な皮膚状態にすることが頭皮の臭い改善になります。ヘアケア以外に、栄養や睡眠、ストレスなど生活習慣を見直しながら、臭いの悩みを解消しましょう。

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