汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺がある
汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、それぞれ違った成分の汗が出ます。エクリン腺は、ほぼ全身に分布しており、ここから出る汗は、暑さや激しい運動で上がりすぎた体温を下げる働きをしています。
成分のほとんどが水分で、わずかに塩分や老廃物を含み、透明に近くサラっとしていて、ニオイがないのが特徴です。
それに対してアポクリン腺は、わきの下や耳、乳輪、陰部などの毛の生えている部分に分布していて、毛穴から汗がにじみ出てきます。
ここから出る汗は「冷や汗」などのように、精神的な緊張などによって分泌されます。脂質やタンパク質、糖分、鉄、アンモニアなどの成分が含まれており、黄色や赤みを帯び、少し粘り気があるのが特徴です。わきがの原因となるのは、このアポクリン腺から出る汗です。
なぜアポクリン腺から出た汗は臭うのか?
アポクリン腺腺から出る汗も、汗腺から出た直後は無臭なのですが、皮膚の表面に常在する細菌によって、酸化・分解されると、あの独特なわきが臭を放ちます。
また、わき毛の中にこもって濃縮されたニオイ成分が、エクリン腺から出た汗によって蒸気化され、より強いニオイとなって拡散されると言われています。
わきがの人には、アポクリン腺の数が多く、形が大きく、分布率が高いという傾向があるようですが、これはほとんどの場合、遺伝的要因だと言われています。
それは本当にわきがですか?
日本人は、清潔好きで体臭を嫌う傾向が強いので、わきがはデリケートな問題として扱われます。体臭を気にする余り、わきの下が汗臭くなっているだけなのに、自分がわきがだと勘違いしてしまう人も少なくないそうです。
わきがかどうかは、専門の医療機関で診断してもらうのが確実ですが、自分でもある程度は判定することが可能です。
1.耳垢が湿っている
2.衣服や下着のわきの部分が黄色くなる
3.わき毛が多い(女性の場合はわき毛が多く、毛が太い)
4.両親や兄弟の中にわきがの人がいる。もしくは両親のどちらかの耳垢が湿っている。
5.わきの下に常に汗をかきやすい(汗に粘り気がある)
これらの条件に当てはまる項目が多いと、わきがである可能性が高くなります。