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睡眠時無呼吸症候群の症状と3つの対策法
寝ている間に無呼吸になる、呼吸が浅くなることによって十分な睡眠がとれず、日中に強烈な眠気に襲われる睡眠時無呼吸症候群。無自覚なことも多く、思わぬ事故にも発展する睡眠時無呼吸症候群の症状と対策について、ドクター監修のもとご紹介します。
現在、日本では約300万人が悩んでいるといわれている「睡眠時無呼吸症候群」。寝ている間に起こっていることから本人ではなく家族の指摘から気づく方もいらっしゃいます。自覚症状がないため、病院での治療を受ける患者が少ないのが現状です。今回は、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状と家でできる対策法をご紹介します。
10秒以上の呼吸停止は無呼吸症候群を疑う
睡眠時無呼吸症候群は最も多く見られる睡眠障害で、日中に強烈な眠気に襲われるため交通事故などにつながる恐れがあります。睡眠時無呼吸症候群の中で最も多いのは閉塞型と呼ばれるタイプです。このタイプでは鼻や喉の異常で慢性的に気道が狭くなり、呼吸が困難になります。
呼吸が困難になる原因は仰向けに寝たときの重力の影響により、舌や軟口蓋が気道をふさいでしまうためです。肥満の人は舌が重くなり、口呼吸の人は舌が落ち込みやすくなります。また、顎が後退している、口蓋垂が長いといった形態的な問題も影響します。
睡眠時に10秒以上の呼吸停止が見られたり、浅い呼吸が何度も繰り返される場合は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。重症度は無呼吸低呼吸指数(AHI)によって判定され、AHI5~15回は軽症、15~30回は中等症、30回以上は重症となります。
この他、発生頻度は低くなりますが、脳からの呼吸指令に異常が生じて無呼吸に至る中枢性睡眠時無呼吸があります。
睡眠時無呼吸症候群になる人の特徴をセルフチェック
次の特徴が当てはまる人は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいと考えられています。いずれも気道を狭くし、いびきの原因となるものです。
・太っている
・首が短く太い
・あごが小さい
・扁桃腺が大きい
・鼻づまりがある
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の主な症状を見てみましょう。
いびき
狭くなった気道を空気が通りぬける際に咽頭が振動していびきをかきます。いびきをかくということは、気道が狭くなっているということ。いびきは閉塞型の睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状といえます。
寝汗
呼吸が苦しくなるとあえぐような激しい呼吸が現れます。激しい呼吸を繰り返すことで寝汗を多くかくことがあります。
寝起きの倦怠感
睡眠時の無呼吸状態によって酸素が不足し、身体を回復させる質の高い休養をとることができなくなります。そのため、疲れが残ったまま目覚めます。
眠気
睡眠時無呼吸症候群によって夜間の睡眠が妨げられた結果、日中に強烈な眠気に襲われます。眠気の自覚症状があるかどうかは、睡眠時無呼吸症候群の診断においても重要な判断材料となります。
家でできる3つの対策法
(1)枕を使用し横向きに寝る
仰向けの姿勢は舌が落ち込み、気道が塞がりやすい状態といえます。仰向けではなく、横向きに寝ることで気道がふさがるのを防ぐことで症状の緩和を期待できます。寝ている間に無意識に仰向けに戻ってしまうのを防ぐには、タオルやテニスボールを背中に置く、仰向けにならないように枕を斜めに置く、抱き枕を使用する、というように工夫するとよいでしょう。
(2)鼻呼吸の習慣をつける
口から息を吸い込むときには、大量の空気が気道を通過していびきの原因になります。鼻呼吸の習慣をつけることで症状の緩和を期待できます。
(3)晩酌を控える
アルコールを摂取してから眠ると、粘膜に浮腫が生じていびきをかきやすくなります。晩酌をしてから眠る習慣のある人は、この習慣を改めるだけで症状が緩和することがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、日中の強烈な眠気によって思わぬ事故を引き起こすリスクがあります。また、心血管障害、脳梗塞、糖尿病、高血圧症、夜間突然死といった合併症を発症しやすいともいわれています。睡眠時無呼吸症候群は耳鼻咽喉科、循環器内科、呼吸器科、精神科、内科で治療を受けることができ、医療機関によっては睡眠外来を設置しているところもあります。日中に強烈な眠気に襲われるという人は医療機関を受診することをおすすめします。
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