藤岡：

実は、この発想の源泉になった商品が当社にあるのです。それは、パフとパウダーを一体化させた増毛パウダーの「アートミクロン」です。ふりかけタイプ（繊維状の粉素材を上からふりかけるタイプ）の増毛パウダーではなくパフを使ったファンデーションタイプの商品で、パウダーが周りや服に飛び散る心配もなく、気になるところにもピンポイントで使用することができ、使っていただいたお客さまからも高い評価をいただいています。

私自身、この「アートミクロン」を愛用しているユーザーのひとりで、簡単にすばやく使えるのでとても助かっています。しかし、ひとつだけわずらわしさを感じる瞬間がありました。それが、シャンプーのときです。もっと頭皮の汚れと増毛パウダーをまとめてさっぱり落とせるシャンプーがないものかと感じていました。

これは、ふりかけタイプもファンデーションタイプも同様で、増毛パウダーを使用する方にとっては共通の悩みになります。そこで「私のように、ストレスを感じている方が多いのではないか？」と考え「頭皮の汚れも増毛パウダーも落としやすいシャンプー」の開発をスタートしました。

こうした発想は、私自身が「アートミクロン」を愛用していなければ生まれてこなかったと思っています。

藤岡：

シャンプーの洗浄力を強くすれば、汚れもパウダーも落とせるシャンプーをつくることはできます。しかし、単純に洗浄力だけを追求してしまうと、どうしても刺激の強いシャンプーになってしまうのです。そうしたことを考慮して「頭皮の汚れも増毛パウダーも落としやすい」というコンセプトに「頭皮にやさしいシャンプー」という考え方を加えて商品づくりを進めていきました。

まずは、協力先の会社に商品のコンセプトを説明し、私たちの考え方を理解していただいたうえで、増毛パウダーの成分分析をスタートしました。分析結果をもとに「頭皮へのやさしさ」と「汚れ落ち」を両立させる成分を見つけだしていきました。

汚れをやさしく落とすためにシャンプーの泡立ちにもこだわり、きめ細かいもっちりとした泡で、頭皮の汚れと一緒に増毛パウダーも包み込んで洗い流せる商品をつくりだすことができたと思っています。

藤岡：

私と同じような悩みを持っている人に「こういうシャンプーがほしかった」と思ってもらえる商品をつくろうと、ものづくりを進めていきました。

例えば、頭皮環境をすこやかにしていくサポートができるように、保湿成分としてローズマリー葉エキスやザクロ果皮エキス、チョウジエキスなどを配合しています。「アートミクロン マイスターシャンプー」の使用方法でも、1度目のシャンプーで汚れや増毛パウダーを落とし、2度目のシャンプーで頭皮の環境を整える2度洗いをおすすめしています。

また、シャンプー後の仕上がりのことを考えノンシリコンにこだわって商品を製造しています。シリコンが入っていないこともあって髪がしっとりし過ぎず、ふんわりとした仕上がりを意識した商品になっています。

さらに、シャンプーの香りにもこだわり、落ち着きのあるムスク調をベースにハーブやシトラスを加え、爽やかな香りを調合しました。すがすがしさが感じられるグリーンハーバルの香りに仕上がっています。

藤岡：

「頭皮の汚れも増毛パウダーも落としやすいシャンプー」ということで販売していますが、私たちが想像もしていなかった新たな可能性を見つけだすことができています。

この商品を販売する前に、海外展開も行っている大手ECサイトに「アートミクロン マイスターシャンプー」の紹介をさせていただいたのですが「中国では、PM2.5（微粒子状物質）や黄砂などが問題になっているので、洗浄力を保ちながらも頭皮への刺激が少ないアートミクロン マイスターシャンプーは、そうした汚れで悩んでいる方にも使っていただける商品ではないですか？」という、新しい使い方のヒントを逆に提案していただいたこともありました。

日本国内においても、ホコリやチリなどの多い現場で作業をされている方など、髪の毛についた粉塵などの汚れを落としたいと考えている方はたくさんいると思います。

「アートミクロン マイスターシャンプー」は、生まれたばかりの商品ですが、非常に大きな可能性を秘めています。今後は、「頭皮の汚れも増毛パウダーも落としやすいシャンプー」として、より多くのお客さまのお役に立てるような商品に育てていくことはもちろん、商品が持つ新たな可能性を見極めて、それをしっかりと伸ばしていきたいですね。