イボの原因「ヒトパピローマウイルス」
多くのイボの原因となるのは「ヒトパピローマウイルス」というウイルスです。このウイルスが皮膚にできた傷などから入り込むことにより、イボができます。医学的には、ヒトパピローマウイルスが原因のイボのことを「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」と言います。
ヒトパピローマウイルスには、100種類以上の型が存在することが報告されています。この中には、イボの原因となる型もあれば、尖圭(せんけい)コンジローマという性病の原因となる型や、子宮頸癌を引き起こす型も存在します。
ヒトパピローマウイルスは人から人へ感染する
ヒトパピローマウイルスの感染には、種特異性があります。種特異性とは、ある特定の種にしか現れない特徴のことで、ヒトパピローマウイルスは人間にしか感染しません。ちなみに、ウシにしか感染しないウシパピローマウイルスというウイルスも存在します。
ですから、ヒトパピローマウイルスは、人以外の動物や植物から感染することはなく、人から人へ感染します。イボができている人の皮膚の表面の角質が剥がれ落ち、それを触ってしまうことでヒトパピローマウイルスに感染してしまうのです。
皮膚の傷には要注意!
人から人へ感染する、と聞くと、「イボの人には近寄らないようにしよう!」と思ってしまうかもしれませんが、それは考え過ぎです。
健康な人の皮膚には、外界からのウイルスや細菌に対する免疫機能が備わっており、皮膚にヒトパピローマウイルスが感染しても、多くの場合イボになることはなく排除されます。
問題は、皮膚に傷ができていた時です。傷ができているとそこからヒトパピローマウイルスが入り込み、皮膚の免疫機能に排除されることなく、住み着くことができてしまいます。
イボを予防したい時は、皮膚の傷口にヒトパピローマウイルスが入り込まないような対策が必要になります。つり革や旅館のスリッパ、プールやジムの更衣室など、素手・素足で触る共用物を使う時には、できるだけ傷口が触れないよう、絆創膏などでガードするとよいでしょう。
また、免疫力が弱くなっている時も、ヒトパピローマウイルスに感染しやすくなります。手や足は、目に見えない小さな傷ができやすいですから、どうしても少々のヒトパピローマウイルスの感染は起こってしまいます。ウイルスが少しぐらい入ってきても弾き返せるよう、日々の生活習慣を整え健康的な体を作っておきましょう。
一度感染しても免疫記憶がされない
イボが繰り返しできてしまい、困っている人もいると思います。これは、ヒトパピローマウイルスに対して、体の免疫記憶が形成されないのが原因です。
風邪などのウイルスは、一度感染すると体の中で免疫記憶が形成され、次に感染した時には速やかに排除されます。ワクチンはこの免疫記憶を利用しており、病気にならない程度のウイルスを注射して免疫記憶を形成させているのです。
しかし、ヒトパピローマウイルスに対しては体の免疫記憶が形成されません。ですから、一度イボができたからといって、もうできない、ということにはなりません。しっかりと感染源を断つことが重要なのです。
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