ヒトパピローマウイルスの型は100種類以上!
ウイルス性のイボの原因となるのは、ヒトパピローマウイルスというウイルスです。このウイルスが皮膚に感染することにより、イボを形成します。イボは乳頭腫とも言われることから、ヒト乳頭腫ウイルスとも呼ばれます。また、英語の頭文字を取ってHPVと表記されることもあります。
古くから全世界に存在しており、人にのみ感染するウイルスです。接触感染をするので、人から人へ移るのが特徴です。人間の上皮や粘膜に住み着くことが多いのですが、ほとんどの場合、人間に備わっている免疫機能により排除されます。しかし、感染・増殖を許してしまうと様々な疾患の原因になります。
ヒトパピローマウイルスは、現在100種類以上の型が確認されており、それぞれの型で生じる疾患が異なります。イボの原因となる型もあれば、癌の原因となる型も存在するのです。
イボの原因になる型とは
ヒトパピローマウイルスの感染で起こる疾患のうち、代表的なものといえばイボです。ウイルス感染でできるイボには、一般的な顔・手足にできる「尋常性疣贅(ゆうぜい)」、足の裏にできる「足底疣贅」、顔や腕にできる「扁平疣贅」があり、それぞれ原因となるヒトパピローマウイルスの型が異なります。
尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルスの2型、4型、7型、26型、27型などの感染により発症します。潜伏期間があり、感染してから1〜6ヶ月ほどでイボとなって現れます。尋常性疣贅は一般的ないわゆるイボで、不用意に触ると周りにウイルスが広がりますし、放っておいても増殖しますので、早期の正しい治療が必要になります。
足底疣贅はヒトパピローマウイルスの1型、63型の感染により発症します。ヒトパピローマウイルスの型の数字は発見された順を示しており、1型は一番最初に見つかった型ということになります。1型でできるものはミルメシアと呼ばれるドーム状のイボで、63型の場合はイボがたくさんできやすい点状疣贅というイボになります。
扁平疣贅は3型、10型が原因でできるイボです。若い女性に多いイボで、顔や腕にやや隆起した平らな薄い褐色のイボができます。青年期にできやすいため、青年性扁平疣贅とも呼ばれます。
子宮頸癌を引き起こす型もある
上記のイボの原因となる型は発癌性が低く、健康を害することはないのですが、ヒトパピローマウイルスの中には発癌リスクが高く、子宮頸癌の原因となる型もあります。16型、18型がそうで、この型も接触感染します。
性行為により感染するため、他の癌と異なり20〜40代に発症しやすいという特徴があります。ただし、イボの原因となる型とは違う型ですから、イボがある人と性交渉を持ったからといって子宮頸癌になる、ということはありません。
しかし、パートナーを大切に思うなら、性交渉前には体を清潔にし、ワクチンの摂取や子宮頸癌検診にも理解を示しましょう。子宮頸癌は早期発見が比較的簡単な癌ですので、定期的に検診を受けていれば発症を未然に防ぐことができます。
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