熱中症にならないための正しい水分補給の仕方
更新日:2017/06/07 公開日:2014/08/22
水分だけ摂ってはいけない!
熱中症には水分補給!これは誰しもが知っていることだと思います。しかし、熱中症にならないためには、どういう風に水分を補給するかも重要です。ただ水を飲んでいるだけでは、逆効果になってしまうことも少なくありません。
熱中症になってしまう原因は、体の水分不足もあるのですが、汗と一緒に排出されている塩分・ミネラルの不足も重大な要因なのです。水分だけ補給してしまうと、これらの不足が補われず、体内の塩分・ミネラル濃度が薄くなってしまいます。
体は、塩分・ミネラルの濃度が薄くなると、それらの濃度を正常に保つため、尿として水分を排出しようとします。その結果、喉の渇きは潤っても体内の水分量はまったく改善されていない状態に陥ってしまうのです。
熱中症に効く飲み物、危険な飲み物
熱中症にならないためには、塩分・ミネラルが含まれ、水分とともに効率的に体内に吸収されるような飲み物が好ましいです。
手軽なのは、スポーツドリンクです。スポーツドリンクにはナトリウムやカリウムとともに、糖質が含まれています。じつはこの糖質には、ミネラル分の吸収を促進してくれることが知られています。さらに、それに引っ張られ、水分も吸収されやすくなるという、一石二鳥の効果があるのです。
自分で作るなら、1リットルの水に5グラム程度の食塩と、好みに応じて角砂糖をいくつか溶かしたものを飲むとよいでしょう。ここにクエン酸を加えると、体の疲れが取れる夏バテ対策飲料の出来上がりです。
熱中症対策に飲んではいけない飲料もあります。ビールやチューハイなどのアルコール飲料と、コーヒーや紅茶などのカフェインが多く含まれる飲み物です。アルコールやカフェインには利尿作用があり、体内の水分が失われてしまいます。
もちろん、適度に楽しむのはまったく問題ありませんが、熱中症対策の水分補給として、これらの飲料を飲むのは効果がない、ということは覚えておいてください。
備えておきたい経口補水液
スポーツドリンクは、確かに効果は高いのですが、一般向けの清涼飲料水ですから味を整えるために糖分が多めに添加されています。そのため、運動をしていないのに関わらず、あまり多く飲み過ぎると糖尿病になる危険性もあります。
熱中症対策のために一番いい飲み物は、「経口補水液」です。これは、食塩とブドウ糖を水に溶かしたもので、脱水症状の治療に使われ、薬局やドラッグストアで手軽に手に入ります。味はついていませんので、飲みにくく感じるかもしれませんが、熱中症対策の水分補給に最も向いた飲み物なので、非常用にストックしておくとよいでしょう。