美容・健康の悩みを少しでも解消し、前向きな毎日を提供する

更新日以降、情報の更新が停止しております。
内容が最新ではない可能性がございますので予めご了承ください。

男性に保湿が必要な理由とは

更新日:2017.11.22
公開日:2017.11.22
ドクター画像
この記事の監修者
表参道美容皮膚科 原宿本院 院長 相澤宏光

スキンケアといえば女性の身だしなみと思われがちですが、男性も特に保湿には十分に気をつけて肌の手入れをする必要があります。保湿の効果と具体的な方法などについて、ドクター監修の記事で紹介します。

みずみずしくてハリのある肌といえば、女性の誰もが憧れるものですが、肌の保湿は美容面だけでなく健康の面からも重要なものなので、男性にとっても軽視することはできません。今回の記事では、肌が乾燥してしまう原因から保湿することで期待できる効果、実際の保湿ケア方法などについて順を追って詳しく見ていきましょう。

保湿とは?

はじめに、保湿の仕組みと肌が乾燥してしまう原因について説明します。

保湿のメカニズム

肌の表面にある「角質層」は、食材を保管する際に使用する透明なラップと同じ0.02mmという非常に薄いものですが、その中で10ないしは20くらいの角質細胞のレイヤーが重なっており、外部から水分が入り込むのと内部から水分が蒸発していくのを防いでいます。角質細胞自体は硬いのにもかかわらず肌に弾力と柔軟性があるのは、角質層に水分が保持されているからです。そのメカニズムは、皮脂によって水分の蒸発を防ぎ、NMFとも呼ばれる「天然保湿因子」によって水分を細胞内にキープし、細胞間脂質によって外部から水分が流入してくるのを防ぐというものです。

肌が乾燥する原因

水分が保持されている角質層はケラチンタンパク質、細胞間脂質であるセラミド、天然保湿因子などでできているのですが、先ほど見てきた保湿のメカニズムが崩れ、先述した角質層から水分が失われて肌の乾燥が引き起こされる原因は大きく分けて二つあります。まず一つ目は「加齢」です。年齢を重ねることで新陳代謝は徐々に低下していきます。新陳代謝(肌のターンオーバー)が低下すると、古い角質がはがれずに角質の厚みが増していきます。もう一つは「外部的な要因」です。主要なものとしては、長期間の肌への紫外線ダメージや、冬場によく見られる外気の乾燥や気温低下による肌の血流減少、洗浄力の強すぎる洗顔料を使用したことによる角質層の損傷などです。

保湿で期待できる効果

次に、男性が保湿ケアを行うことで期待できる効果について見てみましょう。

細菌の繁殖を防ぐ

角質層にある水分が蒸発しないように「フタ」の役割を果たしている皮脂は、同時に皮膚のなめらかさを維持し、皮脂膜にある「脂肪酸」によって弱酸性に保つことで肌の細菌増殖も防いでいます。皮脂はベタつきの原因で邪魔なものであると考えている人もいるかもしれませんが、このような大切な役割を果たしていますので過度な洗顔で脂分を落としすぎないように気をつけましょう。

柔軟性と弾力性を維持

「天然保湿因子」は英語で「Natural Moisturizing Factor」と呼ばれ、水分と強く結びつく性質を持っています。アミノ酸や尿酸、乳酸などでできあがっており、角質層の内部に水分を溜め込んでおくためにとても重要な役割を果たしています。肌のツヤと柔軟性、弾力性を維持するためには保湿が大切なことが理解できるでしょう。

外部に対するバリア

肌のもっとも外側にある「角質層」は、角質細胞とそれらをつなぎとめる「角質細胞間脂質」でできています。これは強力なバリアの機能を持っていて、水分の蒸発と流入を防いでいます。水分を含む「水分層」と脂分でできた「脂質層」が何層にも交互に折り重なっていることで堅い防壁となっており、同時の外気温の変化が肌の内側に大きな影響を与えないように緩衝材の役割も果たしています。

ニキビ予防

ニキビというのは皮脂で毛穴がふさがり、そこでニキビ菌が繁殖して炎症を起こしたものです。ニキビに悩む人は肌を清潔に保つ必要があると思って過剰に洗顔してしまいがちですが、それよって肌のバリアが弱まって、ニキビが増えてしまうという悪循環に陥ります。ニキビ予防にも保湿が大切なのです。

保湿の方法

続いて、肌質の種類別に保湿の具体的な方法を確認しましょう。

乾燥肌の場合

乾燥肌の保湿を考えるとき、一番考慮すべきなのは肌自体が持つ保湿機能を損なわないようにするということです。先にも解説したとおり、皮脂・天然保湿成分・細胞間脂質はそれだけで十分な保湿力を持っていますので、肌をこすりすぎたり洗い流しすぎたりしないように気をつけ、セラミド・アミノ酸などを含んだ保湿剤を使用しましょう。

敏感肌の場合

まず、敏感肌の方は肌に合わない基礎化粧品を使用しない事が基本です。そして、肌のバリア機能が弱っている敏感肌の場合、代表的な保湿成分であるセラミドを補給することでうるおい成分を取り戻すことが大切です。セラミドは角質内の細胞間脂質で、水分との親和性が高いのが特徴です。セラミドを積極的に取り入れた保湿ケアで皮膚のバリアを復活させ、敏感肌を解消しましょう。

オイリー肌の場合

過度な洗顔などで乾燥して、皮脂分泌が増加している場合も多いので皮脂の多い肌にも保湿は大切です。収れん化粧水を使って保湿するとよいでしょう。また、オイリー肌でも顔中が皮脂に覆われているわけではなく、目元・口元は乾燥しがちなので美容液などを使ってうるおいを補うようにしましょう。

オススメ記事

スキンケア基礎講座