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熱中症の治療方法
意識がはっきりとしていれば、現場での応急処置で症状が回復することがほとんどです。しかし、軽度でも意識障害が見られる場合は、医療機関での治療を受けることが必要になります。ここからは、医療機関でどのような治療方法が行われるのかを解説していきたいと思います。
熱中症の重症度に合わせた治療法とは
熱中症は、重症度に合わせた治療が必要です。もし、意識がなくなるほど重症な場合は、医師のいない現場でいくら治療をしても、改善することはまずないでしょう。一刻も早く救急車を呼ぶことが最善の治療法となります。
意識がはっきりとしていれば、現場での応急処置で症状が回復することがほとんどです。しかし、軽度でも意識障害が見られる場合は、医療機関での治療を受けることが必要になります。ここからは、医療機関でどのような治療方法が行われるのかを解説していきたいと思います(現場での応急処置の方法は、「熱中症にかかった場合の応急処置」をご覧ください)。
熱中症の診断と治療方法(軽症〜中等症の場合)
熱中症は、その症状により治療方法が変わってきます。頭痛や吐き気がある、意識が朦朧とする、失神を起こす、体がだるい、疲労感がある、などの症状の場合は、脱水症状を起こしている可能性が高いです。
氷枕や氷嚢を使って体を冷やす「冷却療法」を行い、生理食塩水やリンゲル液の点滴、鎮痛剤の投与をすれば回復することが多いですが、脱水状態を元の正常な状態に戻すためには時間がかかるため、入院による治療が一般的です。
筋肉の痛み、硬直(こむら返り)が起きている場合は、発汗後に水分だけを補給し、塩分やミネラルが不足している状態です。そのため、生理食塩水の点滴を行い、経口補水液の投与を行い、体内の塩分、ミネラルを正常な濃度に戻す治療を行います。体温は正常であることが多いため、冷却療法は必要としない場合が多いですが、ケースバイケースで対応します。
熱中症の診断と治療方法(重症の場合)
まっすぐ歩けない、呼びかけに対する反応がおかしい、または無反応である、など、明らかな意識障害を起こしている場合は、非常に緊急性の高い状態です。集中治療室での治療が必要となってきます。
集中治療室では、冷却療法と点滴による体温・体液の補正とともに、抗痙攣薬や筋弛緩薬の投与などが行われます。また、重度の熱中症では消費性凝固障害という血液の障害が起きていることがあり、予断を許しません。
消費性凝固障害が起こると、血液の凝固が正常に行われなくなります。意識障害が起こるのは、この消費性凝固障害が引き金になっていることが多いのです。
消費性凝固障害は、さらに腎不全や肺不全、チアノーゼや意識障害以外の中枢神経症状(痙攣や昏睡)を起こします。これらの症状が見られた時には大変危険な状態になっていますので、一刻も早く治療を施すため、迅速な対応を行うようにしましょう。
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